2020 Fiscal Year Annual Research Report
Economic analysis of competition policies to modern firms, their organizational and market structures
Project/Area Number |
16K03665
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 靖彦 日本大学, 経済学部, 教授 (90453977)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 寡占市場 / 価格競争 / 数量競争 / 経営委任 / 経済政策 / 経済理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年の研究においては,航空,鉄道,通信,および各種インターネット産業(ソフトウェア,オペレーティング・システムなどを含む)に代表されるネットワーク産業における企業の経営戦略に関する探究を行った。ネットワーク産業においては,仮に同じ利用者価格に直面しても,ネットワークに参加している数が増えるにしたがってネットワークの価値が高まることを通じて,当該財を需要した消費者の効用が増加することがある。これを「ネットワーク効果」と呼び,考察にあたりこのネットワーク効果に注目した。具体的には,ネットワーク産業における企業の競争における戦略の内生的選択の問題を考察した。本論文では,消費者の期待の形成方法として,先行研究で提案されている「Active expectations」と「Passive expectations」の2種類を用いた。「Active expectations」と「Passive expectations」は消費者がどの時点で各財の供給量に対する期待を形成するのかによって分類される。加えて,我々は,企業の内部構造として,経営者が存在するケース(Managerial case)と存在しないケース(Entrepreneurial case)の2つの場合を考慮した。上記の設定の下では,対称的な数量競争と価格競争の2つの競争形態が均衡として観察されることが証明された。また,本研究においては,複数均衡が成立することが明らかになったため,均衡選択の分析も同時に行った。
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Research Products
(2 results)