2018 Fiscal Year Annual Research Report
Possibility of triggering collaborative behavior by visualization of local community issues
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16K03718
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
塩津 ゆりか 愛知大学, 経済学部, 准教授 (60599182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下原 勝憲 同志社大学, 理工学部, 教授 (10395105)
米崎 克彦 横浜市立大学, グローバル都市協力研究センター, 特任助教 (70599183)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域課題の可視化・共有化 / Pure Altruism / ギフト・サーキュレーションモデル / 関係性資産 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度に実施したアンケート調査のデータを使って、地域公共財の非受益住民とまちづくりNPOメンバーおよび超利他主義を持つリーダーを除外した場合の地域公共財の金銭的評価をCVMによって導出した結果、非受益住民の金銭的評価はNPOやリーダーを除外した場合よりも低額であることを示した。 次に、地域住民が自らの日常行動を通して地域コミュニティの課題を可視化するためのモデルおよびシステムの開発と社会実験を2018年6月から3ヶ月間実施した。具体的な可視化課題として、子ども見守り活動と地域の見所を挙げた。これまでに得たGPSデータと統合して分析した結果、子ども見守り活動のように共感を得やすい地域公共財の私的供給行動であれば、ICTを活用して可視化・共有化することでPure Altruismを喚起し非受益住民であっても協調行動をとるきっかけとなり得ることを明らかにした。 個々の住民が明示的にコミュニティ活動に参加することで得た効用や日常行動を通して間接的に得た効用が社会全体でどのように働くのかを独自のギフト・サーキュレーションモデルによって分析した。その結果、間接的に得た効用を関係資産としてとらえ、Pure Altruismに基づいてこれを他者にギフトすると同時に可視化して社会全体に貯蔵し、個々人に再分配し社会全体で循環させることが重要であることが導かれた。地域コミュニティ活動への参加は持続可能性に課題がある。このため、システムダイナミクスを利用して、効用の再分配率に注目することにより、個々のインセンティブをみたしうる条件を示した。 これらの成果を論文にまとめ、国際学会ならびに国内学会で報告し、学会誌に掲載された。社会への研究成果の還元として、2018年5月に広く一般に参加者を募り、成果発表会を実施した。加えて、2019年3月に社会実験参加者に向けて研究成果報告会を行った。
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