2018 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical studies on changes in the HR system and its implementation in Japanese firms over two decades
Project/Area Number |
16K03862
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡嶋 裕子 大阪大学, 経営企画オフィス, 准教授 (50761649)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 労働意欲 / 賃金 / 人事制度 / 日本企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,就労者の職務満足について,個人単位の年齢・賃金などの属性データと組織単位の企業業績・人事制度情報などのデータを用いて,日本の企業組織で就労する従業員の四半世紀における賃金の水準や構造の変遷を踏まえた分析を行うことである。本年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1.人事制度情報の収集:昨年度・一昨年度に続き,企業への従業員アンケート調査および人事制度調査を継続,新規データの取得と人事制度とその運用状況について聞取りを行った。特定の個別企業へアンケート調査集計結果を報告し,意見交換を行った。得られたデータについては,本年度の分析をさらに精緻化していく中で今後も活用予定である。 2.人事関連イベント情報の収集:ニュースなどの公開情報から人員削減や早期退職募集について情報収集・データ整備を行った。従業員意識への外生要因となるイベント情報のデータ化は,施策実施タイミングと従業員が施策を認知するタイミングを踏まえた施策効果の検証を今後行っていく上で必要となるデータである。 3.上記最新データ追加前のデータセットでの分析:5年毎の時代区分別に職務満足への影響要素を検証したところ,自律的な仕事の程度が高い就労者ほど職務満足が高く,正社員男性の職務満足マイナス効果が存在し,それぞれの効果は時代区分が進むにつれ拡大傾向にあること,さらに,企業内での賃金ポジションが職務満足に影響を与えることが確認できた。これらの結果には成果主義的制度運用の影響がうかがえるため,企業の人事制度情報の収集を継続し,実際の運用状況を踏まえた影響分析を今後行っていく。企業業績指標などの外生的要因を踏まえた職務満足の要因分析についても継続する。 4.論文執筆:前掲の分析の結果について国際学会で報告した。学会報告での意見交換を踏まえ分析を精緻化し,論文としての執筆を進めており,今後発表予定である。
|