2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on competition and cooperation to divide the fate of the market
Project/Area Number |
16K03873
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小沢 貴史 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (50367132)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 市場の進化 / サドル / 再活性化 / 国産品市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、1970年代以降にみる日本の成熟型経済下で、国産品市場における需要の長期的な低落を克服すべく、需要の低落から再成長に至る「市場のサドル」事象に注目してきた。日本の国産品1,752品目の出荷推移を、1970~2016年までの超長期にわたり追跡し、市場のサドルがどの程度存在するのか、その存否を確認してきた。またサドルが確認された市場について、取引品目の産業分類やサドルが形成された時期の他に、衰退と再成長の率や期間の長さなど、国産品市場のサドルの特徴を明らかにしてきた。 1970年以降、成熟・衰退化の只中にある国産品市場で、サドルと再活性化事象は確かに存在していた。本研究の分析対象である1,752市場に占める割合は、サドルで18.3%、再活性化で10.6%に過ぎない。また起点以後における再成長の持続期間に注目すると、サドルでは3年と続かず、再活性化と両立事象では5年と続かないものが多く見受けられた。 しかし、その一部分の中には、1度の事象でサドルと再活性化の条件を共に満たす再成長を遂げた両立事象も存在していた。再成長の起点以前には対前年成長率がマイナス10%を下回る年が2年以上続き、起点後は実質経済成長率を上回る成長を4年以上続ける。過酷なまでの需要の成熟・衰退化を経て再成長を遂げる国産品市場が、分析対象全体の2.6%ながらも確認できた。再活性化に注目すると、建築用板金製品市場では、1970年以降に3回の再活性化を生起している。次に再活性化の起点後に注目すると、光度計・光束計・照度計・屈析度計の市場では、12年間という最も長い再成長を持続させていた。そして再活性化の起点に注目すると、近年に向かうに連れて、その数が多く見られた。しかし成長率の緩和と急変の傾向を分析した結果、景気の浮沈に連動した成熟・衰退と再成長を遂げているとは言い難かった。
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Research Products
(3 results)