2017 Fiscal Year Research-status Report
ダイバーシティ経営に適合的な企業の人事システムに関する研究
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16K03891
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
佐藤 博樹 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (60162468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武石 惠美子 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70361631)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ダイバーシティ経営 / インクルージョン施策 / 多様な人材活用 / 多様性推進施策 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の研究期間の中間年として、初年度の先行研究のレビューを踏まえて、ダイバーシティ経営と適合的な人事制度を明らかにするため、従業員向けの調査を登録モニターを利用して実施した。 調査票を設計するために、経産省の新ダイバーシティ経営企業100選受賞企業におけるダイバーシティ経営の現状を分析した。それによると、ダイバーシティ経営の先進企業でも人事制度の改革が遅れていることが明らかになった。 上記を踏まえて、従業員の視点から勤務先における多様な人材活用の現状と企業による①多様性推進施策、②人事制度の在り方、③インクルージョン施策、④管理職の部下マネジメントの在り方の関係を明らかにできるように調査票を設計した。①多様性推進施策、②人事制度の在り方、③インクルージョン施策、④管理職の部下マネジメントの在り方を測定する尺度に関しては、先行研究を踏まえて作成した。 現在は学会報告のために分析を進めている段階であるが、回答者の勤務先の業種、企業規模、資本類型、組合の有無などを統制し、さらに上記の①、②、③、④を説明変数として、被説明変数である多様な人材活用との関係を多変量解析した。その結果によると、ダイバーシティ経営を定着化させるためには、①多様性推進施策、③インクルージョン施策、④管理職の部下マネジメントの在り方に加えて、②人事制度が重要なことが明らかにされた。ダイバーシティ経営に適合的な人事制度は、雇用制度と処遇制度に分けると、雇用制度では個別管理が、処遇制度では仕事や成果に基づいた制度が特徴となる。今後さらに、詳細な分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の先行研究のレビューを踏まえて、さらに経産省の新ダイバーシティ経営企業100選の受賞企業におけるダイバーシティ経営の現状を分析することで、ダイバーシティ経営に適合的と考えられる人事制度の導入がほとんど行われていないことが明らかになった。この点を踏まえて、多様な人材活用の現状と①多様性推進施策、②人事制度の在り方、③インクルージョン施策、④管理職の部下マネジメントの在り方の関係を明らかにできるように調査票を設計し、企業に雇用された従業員個人を対象とした調査を行った。最終年度の本年は、上記の調査の詳細分析を行うと同時に、最終のとりまとめを行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施した従業員調査の詳細分析を行い、学会報告や論文として公表することを予定している。並行して、民間企業との共同研究である中央大学・ワークライフバランス&多様性推進・研究プロジェクトの研究会で報告し、企業のダイバーシティ推進担当者との意見交換を行う予定である。
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Causes of Carryover |
登録モニターを活用した企業に勤務する従業員に対する個人調査の実施予算が予定よりも安価であったため。29年度の残額と30年度の交付額を含めて、個人調査に関して、詳細なクロス集計や調査票を掲載した報告書を作成し、研究者や企業のダイバーシティ推進担当者の利用に供する予定である。
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Research Products
(6 results)