2016 Fiscal Year Research-status Report
マーケティング標準化と経営成果に関する実証的研究-食品産業を中心に-
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16K03957
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
金 炯中 静岡産業大学, 情報学部, 准教授(移行) (20582373)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 標準化・適応化戦略 / 国際マーケティング / 食品産業 / 経営成果 / 中国・アジア市場 / 日本・韓国企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マーケティング標準化戦略と経営成果との関係を実証的に解明することを目的としている。とりわけ、食品産業を研究対象としており、その中でも食品メーカーおよび外食企業を中心に研究を進めている。研究初年度である2016年度には、主に海外法人に対する「聞き取り調査」と「既存研究の再検討」を行った。まず、「聞き取り調査」は、日本の食品関連企業が数多く進出している中国の上海と台湾で実施した。具体的には、ハウス食品、キリンビール、そして壱番屋を対象に現地でのマーケティング標準化・適応化戦略について聞き取り調査を実施した。また、「既存研究の再検討」は、標準化・適応化戦略と経営成果に関する国内外の研究および食品関連企業の国際化に関する研究について行った。 2016年度の目標は、研究実施計画でも述べたように、大規模な定量調査のための仮説およびフレームワークの構築であった。上海などで行った予備的聞き取り調査と既存研究の再検討を通じて、海外における日本食品の標準化実態、食品標準化への影響要因、そして、食品標準化と経営成果との関係について多方面から情報を獲得することができた。 こうした研究活動から得られた成果は、所属している学会で報告を行った。まず、食品メーカーに関する研究成果は2017年4月に『国際ビジネスコミュニケーション学会』で発表した。また、外食企業に関する研究成果は、2017年7月に『アジア市場経済学会』で報告を確定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食品産業を対象に、マーケティング標準化と経営成果との関係を実証的に検討するという本研究の目的を遂行する上で、初年度に当たる2016年度においては、既存研究の再検討に加え、食品関連企業に対する聞き取り調査を行うことができた。聞き取り調査は、日系食品メーカーおよび外食企業の上海・台湾法人を対象に実施したが、この予備的調査により、定量調査の仮説およびフレームワークを構築するためのヒントを得ることができた。また、2016年度の目的の一つであった学会での研究報告も完了し、最終年度に実施する定量調査の見通しを立てることができた。よって、本年度の研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度には、(1)聞き取り調査(2)専門家との意見交換(3)所属学会での成果発表の3つを行う予定である。 (1)聞き取り調査:2016年度は主に上海と台湾に進出している日本の食品関連食企業を対象に調査を実施したが、今年度は香港やシンガポールなど、より広範なエリアに進出している食品関連企業を対象に聞き取り調査を行う予定である。また、韓国の食品関連企業に対しても聞き取り調査を実施することを予定している。 (2)専門家との意見交換:食品産業の国際化に詳しい国内外の研究者との意見交換を行う。また、来年度の定量調査に向けてアンケート調査に精通した研究者とも意見交換を行い、より効果的な定量調査実施に向けて準備を進める。 (3)所属学会での成果発表:これまでの研究成果を所属学会で発表する。2017年度は事例研究として学会誌への論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
韓国の食品関連企業に対する予備的調査も予定していたが、国際事業担当者とのスケジュール調整が困難であったため、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
早期にスケジュールを調整し、韓国企業への聞き取り調査のための旅費に当てる予定である。
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