2016 Fiscal Year Research-status Report
コーポレートガバナンス・コード関連情報開示による情報効果と企業行動への影響分析
Project/Area Number |
16K03992
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中條 祐介 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (40244503)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 開示規制 / 開示制度 / コーポレートガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である平成28年度は、国内外のコーポレートガバナンス関連情報及び非財務情報に関する先行研究のレビュー、実証研究に向けたデータベースの構築、及び企業担当者に対する質問票調査やインタビュー調査などに基づいた事例研究を中心に実施することが計画されていた。 先行研究のレビューについては、非GAAP利益情報、経営者の討議と分析(MD&A)、取締役会の規模や選任スキームの開示、取締役の報酬情報(CD&A)、ESG情報などに関する論文を幅広くレビューを行った。そこでの知見に基づいて、日本企業のコーポレートガバナンス関連情報の効果に関する検証のフレームワークと検証仮説を考察しているところである。 また、コーポレート・ガバナンスに関する報告書等の開示実態の調査とデータベース構築についての作業を実施中である。平成28年度においては、(ⅰ)経営理念等や経営戦略、経営計画、(ⅱ)コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方・基本方針、(ⅲ)取締役会による経営陣幹部・取締役の報酬決定の方針・手続、(ⅳ)取締役会による経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名に当たっての方針・手続に関してデータ整備を行っている。また、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンスに関する報告書において開示されている類似情報の情報収集も併せて行っている。 上記のほかに、制度の再編方向についてもレビューを行い、米国とわが国における開示規制の動向を分析し、両国における制度設計の類似点と相違点を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データベースの構築に当たり、定量情報の整備は容易であったが、定性情報については各社で表現方法が異なり、比較可能な形式でデータベース化する点で工夫が必要であり、この点が作業がやや遅れた原因である。 しかしながら、平成28年度において、ある程度のスキルが蓄積されたので、今後は順調に作業が進捗すると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においては、前年度に構築したデータベースに平成29年度の開示情報を追加し、引き続き整備を続ける。また、計画に則り、整備中のデータベースを用いた情報効果の分析にも着手する。併せて、事例研究の蓄積を図るため、企業担当者へのインタビューも継続して実施する予定である。
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