2017 Fiscal Year Research-status Report
初期ソローキン社会学にみる利他主義研究の萌芽―ロシア時代の未公刊・新資料の分析
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16K04043
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Research Institution | Nagasaki Wesleyan University |
Principal Investigator |
吉野 浩司 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 助教 (40755790)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | チェコ社会学史 / A.I.ブラハ / 亡命ロシア人 / チェコ国立文学研究所 / チェコ科学アカデミースラブ研究所 / 妙好人 / 善き隣人 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年9月にチェコのブルノとプラハの2都市で調査を行った。①ブルノではドゥシャン・ヤナーック氏にインタビューを行った。ブルノ学派の創始者であるブラハに関すること、チェコ社会学史とソローキンとの関係に関することを中心に、聞き取り調査を実施した。ブラハとソローキンの社会学方法論の類似性をお互いに確認しあえたのは収穫であった。また同地のマサリク大学を訪問し、東欧出身の社会学史研究家たちとの意見交換の場を持つことで、新たなネットワークを構築できた。ソローキンのチェコでの亡命生活を調査する中で、亡命ロシア人のプラハでの仕事の重要性について知ることができた。当時ロシア人たちが住んでいた地域の調査が、今後の課題として浮上してきた。 ②プラハではチェコ科学アカデミーのマレク・スコヴァジュサ氏に、近著『チェコ共和国の社会学』について詳しく話を聞き、議論を行った。またカレル大学のズデニエク・ネシュポル氏には、チェコ社会学に関する聞き取りを行った。自身が編集に携わったチェコ社会学関連の雑誌をデータベース化したCD-Romや社会学辞典などを見せてもらい、学ぶところが多かった。またネシュポル氏は亡命ロシア人の実情にも詳しく、チェコ科学アカデミーのスラブ研究所を紹介してもらい、施設を利用する便宜をはかってくれた。 ③プラハではいくつかの施設を訪れた。国立図書館のスラブコレクションでは、ソローキンの著作を含む文献・資料をコピーした。ネシュポル氏紹介のスラブ研究所ではアーカイブから、いくつかの貴重な雑誌を発見し、コピーをすることができた。また滞在中に、チェコ国立文学研究所が開催している亡命ロシア人展「エクザイル」開催の情報を得、実際に会場に足を運ぶことができた。 ④2017年8月および同年年末から2018年年始にかけて、利他主義研究の日本的展開として、山陽・山陰の妙好人に関する現地調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
たいへんスムーズに研究を深めることができているが、その反面、新たな課題が浮上しており、そのための下準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況で述べたように、新たな課題が浮上している。今後の展開としてはソローキンの利他主義社会学の世界的展開についての調査が必須となった。そのため当初の研究にはなかった、イタリア(Valerio Merlo)と台湾(孫中興)を対象とする調査を本研究に盛り込まなければならなくなった。
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Causes of Carryover |
論文の多言語による発信をめざして人件費を計上しているが、国内での成果発表がやや遅れていることから、それにともない発注が遅れてしまったため。
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Research Products
(5 results)