2016 Fiscal Year Research-status Report
障害を経験する人の就職および就労継続を助長させる環境システム構築へ
Project/Area Number |
16K04071
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
バーニック ピータージョン 長崎大学, 障がい学生支援室, 助教 (00752726)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 障がい者雇用 / 就労の継続 / 障がい学生 / 就労支援 / 支援体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において将来的な大目標である「障がい学生キャリア支援ハンドブック」の基礎となる障がい学生側の実態と、企業側の障がい者雇用に関する現実的問題点を把握し、障がい学生の就職・就労における課題解決の一般論化を行うために二つの研究(AとB)に分けて行うことにしている。当初の計画では研究Aは、障がい学生の進路調査と卒業後の実態把握を目的に、3年間の研究期間中に大学を卒業する障がい学生を追跡し、就職活動の状況を調査する予定であった。特に障がいの有無が就職活動にどのように、どの程度影響するのかを、障がいの種類・程度、学生本人の性格や能力、志望した業種等をふまえて評価しつつ、卒業後(入社後)の本人の気持ち、労務上の障がいの影響や企業側の配慮の有無等を調査する予定であった。この調査を通じて、(1)就職の成功につながる外在・内在の要因、(2)就労の継続を左右する要因、そして(3)個人の感情等が及ぼす影響を明らかにすることへの第一歩にしたいと考えていた。一方、研究Bは、障がい学生の「先輩」に当たる、社会人障がい者とその雇用主への調査である。社会人障がい者・雇用主それぞれの立場の人に「雇用(就労)を続けることに貢献している要因」等を尋ね、就職および就労継続に好影響を与える要因を特定することが目標であった。 しかし、事情により、上記調査の実現に向けた作業が予定通り進まず、平成28年度には東京で開催された「こころのバリアフリー研究会総会」にて本研究計画に関する発表を行い、研究協力先を複数特定したのに加え、複数のセミナー及び学会にて障がい者の就労に関する実態について情報収集を行ったほか、長崎では障がい者関連施設や団体との連携体制構築を開始し、研究に協力していただける候補者の特定を進めることに留まった。また、今後の調査に必要な機器や備品を一部調達し、倫理委員会の審査に向けて準備も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
合理的配慮を必要とする障がい学生の急増に伴い業務量も増え、予定より研究活動に時間が割けなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究を推進するために必要な時間の確保が困難になる可能性を踏まえ、新たに卒業する障がい学生の追跡を予定していた5大学から1または2大学に減らすとともに、ヒアリングの対象となる企業の数を絞り、関東で1または2社、そして長崎では数社に減らす、といった研究計画の変更を行う。
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Causes of Carryover |
平成28年度に調査のための時間を十分に確保できなかったため、調査関連予算(特に謝金及び研究補助員の人件費)を予定より使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には実際に調査を開始し、関連予算を使用できるようになる見込みである。
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