2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study on the Filipino Marriage Immigrants in Remote Islands of Japan
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16K04073
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野入 直美 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (90264465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50382007)
永田 貴聖 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 外来研究員 (80551093)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フィリピン結婚移民 / 離島 / 徳之島 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年8月4日~7日に徳之島を訪問し、同島在住のフィリピン人女性14人に対して来住時期、転居歴、職歴などについての質問紙調査を行った。その結果、回答者は来住時期は1980年代後半から2000年代前半であった。現職として介護に従事する回答者は2人だったが、過去に家族介護(舅・姑など)の経験者が2人、仕事としての介護経験者が5人の合計9人にのぼることがわかった。さらにインタビュー調査を実施し、移動の経緯と相互扶助のネットワーク、リーダーシップ、ホスト社会との関係についての事例研究を行った。 また、2018年11月24日には、徳之島初のフィリピンクリスマス・フェスタ」を参与観察した。徳之島のフィリピン人女性の子どもの中学校卒業後の進路については、高校卒業まで島内で暮らすことは可能だが、高校または中学入学時から島外で寮生活を送る子どももいること、既に就職・結婚などをした人の大半は島外で暮らし、一部島内で暮らす人もいるが、海外での進学・就職を選択した人はいないことが明らかとなった。フィリピン文化の継承は、カトリックの教えの継承は主に子どもが幼い頃に実践されているが、限定的であること、石垣島や宮古島と比較すると、徳之島では地域や学校でフィリピン人女性たちが料理や民族舞踊などを披露することは稀であり、子どもたちへ文化を継承する機会が少ないことが明らかとなった。 済州島では、2018年9月、2019年2月3月の調査を行い、フィリピン人グループNANPHILが現在活動の拠点としている移民支援団体である移民教育福祉センターとのかかわりや活動内容、フィリピン人移住者たちがNANPHILへの参加、カトリック信仰を通じて複数のグループと関わる関係を展開していることを明らかにした。 石垣島では、カトリック教会を中心とするフィリピン結婚移民のネットワークと文化継承のフォローアップ調査を行った。
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Research Products
(14 results)