2016 Fiscal Year Research-status Report
地域における独り死を支援する人たちの支援モデルに関する研究
Project/Area Number |
16K04157
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
柴田 有記 (大賀有記) 愛知県立大学, 教育福祉学部, 講師 (30708748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 眞知子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (50330791)
木戸 宜子 日本社会事業大学, 福祉マネジメント研究科, 准教授 (80386292)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 緩和ケア / 地域 / 死生観 / 民族 / 宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、独居者の看取りを含めた在宅療養を支援する人たち、とくにケアマネジャーなど福祉職に焦点をあて、在宅支援チーム全体の支援モデルを提示することを目的としている。 平成28年度は、地域におけるデスカンファレンスの専門職役割遂行サポート機能について、日本の文献研究を行った。支援者支援の一環である、スーパービジョンとコンサルテーションの機能を参考に分析した結果、地域のデスカンファレンスはスーパービジョンがもつ管理・教育・支持の3機能を有していることが分かった。一方で、地域の支援者の理解や地域の看取りケア質向上等にも効果を及ぼしており、地域の療養支援体制を整備する機能もあることが示唆された。 それを踏まえ、病院死から在宅死への移行が政策的に進められているカナダのケベック州モントリオール市を訪問した。市内でも特に高齢化率が高く、地域緩和ケアの促進が課題となっているキャベンディッシュ地区に行き、現地の保健医療福祉機関のソーシャルワーカーとそのスーパーバイザーを対象に、地域緩和ケア活動についてインタビューを行った。また病院のソーシャルワーカー、および慢性的な病をもつ人々を支援する機関の職員にヒアリングを行った。いずれも独居者やサポートする人が極めて少ない人々の在宅療養支援については、大きな課題となっていた。在宅療養支援体制整備を進めるうえで、死生観などの文化的背景、宗教や民族のコミュニティの関係、国家施策、在宅療養支援スタッフのケア体制等が複雑に絡み合っていることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度秋に予定していたカナダへの訪問が年度末となり、インタビュー内容の分析は平成29年度に行うこととなったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に行ったカナダでのインタビュー調査の分析を進める。支援者支援について概念化を試みたうえで、日本においても同様の調査計画を推進をする。日本における調査地として当初関東地方を予定していたが、関東地方だけでなく東海地方も調査候補地域とする。その理由としては、カナダでの調査をふまえて、文化や地域の影響を考慮し比較する必要が大きいと判断したためである。
|
Causes of Carryover |
カナダでの調査が年度末となり、そのインタビュー調査のテープ起こし費用として確保していた金額について、当該年度では使用できなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー調査のテープ起こしを専門業者に依頼し、残額を使用する。
|
Research Products
(1 results)