2018 Fiscal Year Research-status Report
町内会・自治会が地域の創生と問題解決を担うために: 地域維持力と対外展開力の検討
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16K04264
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬場 健彦 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (80567339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 さおり 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (00341397)
武田 裕之 大阪大学, 工学研究科, 講師 (00638512)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 町内会 / 自治会 / 自治 / 地縁団体 / 個人主義 / コメ文化 / 政治 / 宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)町内会・自治会の全国的な状況は、学会大会等における研究者間の情報交換や各種資料の分析の結果、ある程度明らかになり、共通点と相違(変動しうる)点が解明された。 2)福岡県糸島市における現地調査は一定の進捗があり、同地の町内会が取り組む課題や問題点について、現場の担当者(市職員・町内会役員)と認識を共有することができた。その成果の一環として、同市内において一般住民を対象とするまちづくりセミナーの講演を行った。一方、こうした活動は、活動が受け入れられやすい町部に偏っており、最終年度に農林漁村についてどの程度調査が実施できるかが課題になっている。調査対象地は、申請当初の兵庫県の予定から、福岡県糸島市に変更になり、その分調査旅費が節約でき、後述の学会への参加が可能になった。 現地調査を進める中で、本研究が申請時に想定していた「地域維持力」と「対外展開力」というコンセプトの妥当性について考慮せざるを得なくなり、特に対外展開力は、他団体との協働や産業との関連から多様な在り方が考えられ、単一の性質のものではないと考えつつある。 3)これまでに整理された日本式の地域自治の長所と短所についてまとめ、さらに現地調査で得た資料をもとに、国際応用心理学科・国際人間環境学研究学会・社会科学フォーラムの3つの国際学会に発表し、臨席する参加者に情報を提供し、同時に各国の事情について質問した。 4)現在の課題として、地域の町内会自治会が政治と宗教にどのようにかかわるか、関わる必要があるか、避ける必要があるか、検討している。本年度においては、各地域の寺社について、土地や建物の権利関係を調べた。その結果、政治・宗教について、慎重に判断したほうが良いと思われ点が多々発見された。今後現地調査の結果とともにさらなる検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現地調査についておおむね順調に進んでおり、現場での活動に余裕が発生した。 特に現場で認められ講演を行った点は評価されると思う。 結果の分析発表について、複数の国際学会で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査を継続しながら、論文での結果報告を行うよう準備している。 本課題では、町内会自治会の力を「地域維持力」と「対外展開力」に分けてこれらの度合いを精密に測定することをもくろんでいたが、そのような概念で町内会自治会を説明することが適切かどうか今後判断せざるを得ないと考えている。特に大概展開力に関しては、町内会自治会の活動範疇に入らない可能性があると考えている。
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Causes of Carryover |
30年度には4年ごとや2年ごとに開催される複数の関連国際学会が集中し、その多くに参加するために海外旅費を多く使わざるを得なかった。
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Research Products
(5 results)