2017 Fiscal Year Research-status Report
人の生の潜在性と可能性に接近するTEA―文化をとらえ、分岐をつくる
Project/Area Number |
16K04324
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20437180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 達哉 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90215806)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 質的研究法TEA / 分岐点 / 文化 / 促進的記号 / 変容と維持 / 介入・支援 / キャリア / 社会実装 |
Outline of Annual Research Achievements |
理論的探究1「分岐点モデル提示」/理論的探究2「介入と場の変容への接近」:『TEMでひろがる社会実装―ライフの充実を支援する』(編者 安田裕子・サトウタツヤ)の執筆ならびに編集作業を行い、2017年8月に刊行した。そこでは、言語、看護、経営、保健、臨床といった場における、当事者の変容の様相と適する支援・介入を検討・考察した論考がまとめられた。そして、その知見を広く社会に生かし実装につなげることを目的に、学会での報告・紹介を行ったり、関係する研究者や実践家の方に書籍を広く謹呈するなど、知見と成果の普及に尽力した。また、日本教育工学会の企画により実施されたセミナー「TEA(複線径路等至性アプローチ)を使った研究への第ニ歩「TEAを使った質的研究を学ぶ② ―次の一歩に進みたい貴方へ」にて、分岐点でどのような自己の変容が起こっているかを検討するための、TEAを構成する理論モデルであるTLMG(Three Layer Model of Genesis:発生の三層モデル)に関する検討を進めた。他、TEAの適用を修得する実践的な研究会やセミナーで講師を担い、TEAの方法論の普及と応用的検討の推進に努めた。
実践的試行「キャリアワークの推進」:研究協力者の番田清美准教授(産業能率大学)とともに、TEAの理論を下敷きにDST(Dialogical Self Theory:対話的自己理論)の理論を組みいれて開発された「キャリアワークシート」を用い、大学生のキャリア発達と形成に関する調査を行った。産業能率大学の大学生を対象に、キャリア発達・形成・展望に関する3回にわたるワークショップを実施した後、その効果を測定するために行った質問紙調査の対象者のうち6名選定し、これまでのキャリアに関するインタビュー調査を実施し、キャリア・ナラティヴを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己の変容をとらえるTLMGを分析に組み入れることにより変容の分岐点に関する考察を深めたり、場(フィールド)における支援・介入についての検討を進めた論考をまとめた『TEMでひろがる社会実装―ライフの充実を支援する』(編者 安田裕子・サトウタツヤ)を刊行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実践的試行「キャリアワークの推進」として実施した、「キャリアワークシート」を用いた大学生のキャリア発達と形成に関する調査に関する知見をまとめ、関連する他のTEA研究で実施している問題解決型TEA実践的・教育的研究の知見とあわせ、キャリア教育におけるTEAの社会実装につなげる。
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Causes of Carryover |
(理由)学会発表の一部の旅費について、関連する科学研究費基盤研究(C)の分担者としての配分金より支出した部分を、次年度使用額として繰り越すことにしたため。
(使用計画)参加・発表予定である学会年次大会のうちのひとつが遠方(沖縄)で開催されるため、その旅費に充当するものである。
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Research Products
(9 results)