2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the neurocorrelates of the Rorschach Inkblot Method as a self-regulation task
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16K04358
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
石橋 正浩 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30324883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 大輔 安田女子大学, 心理学部, 准教授 (30390701)
内海 千種 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (90463322)
相澤 直樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10335408)
牧田 潔 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00455560)
平石 博敏 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任助教 (40643789)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2023-03-31
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Keywords | 投影法 / ロールシャッハ法 / 神経基盤 / 機能的磁気共鳴画像法(fMRI) / 自己制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は本研究課題の最終年度として,2月に研究打ち合わせを実施し,これまでの研究成果をふりかえり,今後の展開について意見交換を行なった。 ロールシャッハ課題の遂行に自己制御がいかに関与しているかを検討することを本研究課題の目的とした。自己制御とは自分の行動を強めたり弱めたり,維持したりして行動を調整する過程などの定義が見られるが,不適切な行動を抑制する能力,回避したい行動であっても遂行する能力,必要に応じて注意を集中させたり切り替えたりする能力が関与している。ロールシャッハ課題においても単なる漠然図形(ブロット)を適切な何かに見立てるという作業のなかに,ブロットがもつ形態と見られたもののもつ形態との適合性,ブロット上の色彩の適切な使用および使用の抑制,ブロットから喚起される運動感覚と静止図形であるブロットとの適合など,自己制御の文脈で理解される機制が働いていると考えた。 自己制御の神経基盤としては腹内側前頭前野(眼窩前頭皮質を含む,VMPFC),外側前頭前野(LPFC),前帯状皮質(ACC)の関与が多くの研究から示唆されているが,ロールシャッハ課題においてもこれらの領域を含めた多数の領域が遂行時に関与していることが明らかとなった。反面,自己制御を測定する心理尺度とロールシャッハ変数との間には部分的に弱い相関が認められたものの,われわれの想定するような明確な関連性は認められなかった。 今回はコロナ禍の影響もあって新たな実験データを得ることができなかったことが最大の反省点であり,次善の策として既存データのさらなる検討を進めてきたが,さらなる考察の深化の余地があることも確認された。研究期間終了後も引き続き検討を進め,複数の学会発表で提示した成果を論文としてまとめることをめざすことを確認した。
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