2018 Fiscal Year Annual Research Report
Relationships between coping flexibility and chronic depression
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16K04384
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
加藤 司 東洋大学, 社会学部, 教授 (50408960)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コーピング / 柔軟性 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究では、ストレス・コーピング(ストレスに対する対処行動)の枠組みによって、抑うつ症状の慢性化(あるいは再発)の仕組みを解明し、予防する方法を提唱します。当該研究の主要概念は、コーピングの柔軟性です。コーピングの柔軟性は、「ストレスフルな状況に応じて、ストレスに対する対処の方法(コーピング方略)を柔軟に用いる能力」を意味します。研究の最終年度である平成30年度は、申請した書類のとおり、主に、以下の3つの領域で、研究を行いました(具体的には、申請書に記載した通り、平成29年度までの研究実績を踏まえ、平成29年度に計画したものです)。 (1)慢性的な抑うつ症状を呈する人々を対象に、実験によって、慢性化のプロセスを解明しました。(2)縦断的調査により、コーピングの柔軟性が抑うつ症状の慢性化にどのように関与しているかを明らかにしました。(3)介入研究により、柔軟なコーピング方略を獲得することが、抑うつ症状の慢性化を緩和することを実証しました。介入研究では、現在も、フローアップ(予定していました6か月後、12か月後)の研究を継続中であり、研究費の支給がなくとも、平成31年度も実施いたします。この延長は、計画時点から予測していたものであり、計画を変更したわけではありません。 また、社会・国民に研究成果を発信に関しては、4つのレベルで発信を実施中です。第一に、国際誌上で発表します(平成29年度から引き続き、研究論文を投稿しています)。第三に、得られたデータ(ローデータを含む)や実験手続きを公開します。実験手続きについても、公開する方向で協議を進めています。第三に、専用HPを通じて、専門家以外の人々が読んでも理解できるよう、研究成果を公表する準備をしております(平成31年度中に完成予定です)。第四に、一般市民を対象にした公開講座や講演を実施しました。平成31年度以降も継続して実施します。
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Research Products
(4 results)