2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of IPC for Stress Coping in Young Adults
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16K04406
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小野 久江 関西学院大学, 文学部, 教授 (40324925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻井 農亜 近畿大学, 医学部, 准教授 (90460914)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抑うつ状態 / ストレスコーピング / カウンセリング / 心理的介入 / 若年層成人 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、若年層成人におけるうつ状態の増加が指摘されている。その背景のひとつとして、未熟なストレス対処方法が考えられる。対人関係カウンセリング:IPC(Interpersonal Counseling)は、コミュニケーション技術の習得を目指すという教育的要素をもつカウンセリング技法のひとつである。そこで本研究では、若年層成人のうつ状態に対するIPCの効果を、ストレス対処方法の変化、抑うつ状態に対する長期的効果、および脳血流の変化などの観点から検討した。 2018年度までに 、今までの研究参加者を合わせた66名の研究データの解析を行った。その結果、IPCを行ったIPC群(n=34)、通常のカウンセリング(Counseling As Usual)を行ったCAU群(n=32)ともに、カウンセリング直後の抑うつ状態に改善が認められた。一方、IPC群とCAU群における効果の違いは認められなかった。ストレス対処方法に関しては、両群ともに感情的なストレス対処方法が減る可能性が示された。両群間で衝動性に関与する負荷下時の脳血流の違いを見いだせなかった。長期的な抑うつ状態に対する効果としては、40名のデータ解析が終了したが、両群間で効果の差を認めなかった。ADHD(注意欠如・多動症)傾向ならびにASD(自閉スペクトラム症)傾向を考慮して、IPCとCAUの抑うつ状態に対する効果についても探索的に検討を加えた。ADHD傾向やASD傾向がある場合はCAUの効果が乏しい結果を得た。若年成人層の抑うつ状態に対するカウンセリング方法の選択には、ADHD傾向やASD傾向も考慮し、適切な方法を選択する必要性があると考えられた。なお、カウンセリングによる有害な出来事はIPC群およびCAU群のどちらでも生じなかった。今後はさらに詳細な解析を進めていきたいと考える。
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Research Products
(9 results)