2017 Fiscal Year Research-status Report
職場と教育現場のためのポジティブメンタルヘルス推進プログラムの開発と展開
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16K04409
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
土井 晶子 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10465677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 弘毅 関西大学, 人間健康学部, 准教授 (30551709)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フォーカシング / メンタルヘルス / グループ・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度においては、ポジティブメンタルヘルスを巡る内外の研究動向について、文献調査および国内外の学会・研究会等における研究者との情報交換を通じて分析を行った。結果、多くの実証的・量的研究が行われており、また具体的な実施報告も増加していることが分かった(土井、2017)。しかしながら、行われているメンタルヘルス研修・プログラムの内容は認知的な学習を主体とするものや、特定のゴールを設定し、そこに到達することを目的としているものが大半であり、体験型の学習はきわめて少ない。実際に「変化」が継続的なものとして現場や個人に根付くためには、知識を獲得するだけでは不充分であり、体験を通じた学習が必須である(土井、2018)。そこで、研究代表者の専門とするフォーカシングのみならず、多様な技法をプログラムに盛り込み、研修のバリエーションを増やすため、内外の心身技法(マインドフルネス、姿斉、Tension Releasing Exercise、ヨガ、フェルデンクライス、野口整体等)について実際に体験しつつ検討した(土井、2017&2018)。そこで学んだ成果を実際の研修プログラムに組み込み、参加者のフィードバックを求め、プログラムをさらに洗練させていくことを予定している。 さらに、広くコミュニティにポジティブメンタルヘルスを浸透させるため、Patricia Omedian(医療人類学者)によるコミュニティ・ウェルネスのマニュアル(Reaching Resilience: A Training Manual for Community Wellness)の翻訳権を取得、翻訳出版に向けて作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年2月に母が半年の闘病の末に死去、その看病およびその後、残された高齢(82歳)の父の介護、ならびに相続などの手続き、実家の整理などに引き続き多大な時間と労力を必要としたため。 また、共同研究者が急遽、職場の都合により在外研究の年度が繰り上がり、2017年度は台湾の台東大学に1年間、滞在することになり、関西大学で行う予定であった実施項目を2018年度以降に延期せざるを得なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
体験型の学習を組み込んだポジティブメンタルヘルス研修プログラムを策定し、結果の測定及び参加者のフィードバックを求める。労働者に加え、大学生向けのプログラムも策定し、同様に効果測定を行う。現在も稼働中の現役看護師・保健師・衛生管理者等とのメーリングリストを活用し、広く現場の意見も収集する。「Reaching Resilience: A Training Manual for Community Wellness」の翻訳を完成させ、学会の自主シンポジウムなどでコミュニティ・ウェルネスについて発表を行い、出版を目指す。個人が「自分らしく」働くとはどういうことなのかについて、Person-Centered Approachの視点から考察を深め、ライフステージに応じた「その人らしさをいかす働き方」について検討する。
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Causes of Carryover |
次年度はウィーンで開催されるPerson-Centered Approachの国際学会での発表、メキシコで開催されるフォーカシング国際学会での発表を予定しており、その旅費及び滞在費、学会参加費等に充当する。
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Research Products
(16 results)