2016 Fiscal Year Research-status Report
日本の大学IRにおいて重要な役割を有する「教学データ」の分析手法モデルの構築
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16K04500
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
清水 強志 創価大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20409775)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教学IR / 研究者・担当者交流 / 全国調査の準備 / データベース / 統計的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の大学IRの特徴の1つは教学データを重んじていることだが、多くの大学ではその分析手法イメージの欠如という大きな問題を抱えている。そこで、本研究は、日本の大学IR活動を促進し、日本の大学IRの実態と課題を把握した上で、研究者の所属する大学を一事例にして「教学データの分析手法モデル」の構築および「成績に特化した学生アンケート」の開発することを目的としている。 28年度の課題は、(1)日本の大学におけるIR活動の実態および課題を把握することと(2)所属大学におけるデータの統合および分析であった。(1)に関しては、近年、多くの著籍、論文、報告書が出版されていることから、文献調査を重点的に行い、実践事例を把握し、かつ、目的・組織形態・方法別に分類を行った(継続中)。また、IR活動従事者の集会が活発化していることから、担当者の相互交流・相互学習・情報共有を目的とした「大学評価担当者集会2016」(主催:大学評価コンソーシアム)などに参加し、(a)他大学におけるIR活動の情報収集、(b)担当者交流(人脈づくり)、そして、(c)本研究で実施予定の全国大学調査票調査に関して2名の著名研究者からアドバイザーの承諾を得、さらに(d)(調査票調査では回収率が重要になるが)大学評価コンソーシアムに実施時の協力してもらうことへの内内な承諾を得ることができた。(2に関しては、27年度および28年度卒業生(退学者含)のデータを入手し、分析のためのデータベースの作成(主にエクセル)および分析のためのデータ加工を行った。また、卒業生(退学者含)の固定値をもとに成績等に注目しながら分析を行った(継続中)。また、手法モデルの公開(報告書の作成)を見据えて、有効なエクセル関数の使い方やさまざまな分析のやり方、さらにグラフ等のアウトプットに関して、プリント・スクリーン機能等を活用して、情報を蓄積した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、全国調査を28年度に行うことになっていた。しかし、現在、日本の大学IR活動が活発化し、多様化・複雑化しつつあり、他方、近年、急増している出版物の文献調査を通して、当初想定していた「全国調査」の質問項目では、現在の実態把握をするには不十分と判断するに至った。 そこで、実施を優先することもできたが、拙速で稚拙な全国調査を行うよりも、綿密で質の高い調査を行うために、平成28年度は、文献調査を丁寧に行い、調査企画の段階から練り直すことに専念した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)日本の大学におけるIR活動の実態および課題を把握するために、文献調査に一層邁進しつつ、早急に全国調査を実施する。なお、全国調査の実施に当たり、2名の著名研究者によるアドバイスをもらい、また大学評価コンソーシアムの協力をえることで、質の高い調査となるように文献調査以外にも創意工夫をする。 (2)所属大学におけるデータの統合および分析に関しては、27・28年度在籍者のデータを収集し、エクセルによる統合を図りつつ分析を行っているが、またまだ統合されていない個々のデータも随時統合を進める。また、今後、29年度在籍者の情報も収集・統合・分析を進め、学生アンケートの有効な活用法および成績に影響を与える要因(属性、意識、行動)の探求を進める。 また、得られた知見については、所属大学の倫理委員会審査による承認を得て、学会発表、論文発表を始める。
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Causes of Carryover |
計画では、28年度に全国調査を実施することになっており、そのための費用(郵送料、人件費、封筒等の事務用品費など)が計上されていたが、質の高い調査を実施するために延期したことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に全国調査実施する予定で進めている(計画通りの支出に修正される)。そのためのアルバイト要員等も確保している。
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