2016 Fiscal Year Research-status Report
ホワイトカラー総合職としての大学職員の再評価と新たな役割
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16K04598
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 毅 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (10233800)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大学職員 / 大学マネジメント / ホワイトカラー総合職 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度はまず第一に、人的資源管理論や大学マネジメント、大学職員論をめぐる新動向や政策展開などに関する先行研究や文献等のレビューを継続実施すると共に、優れたマネジメントを実践している大学役職員を対象とするインテンシブなインタビュー調査を実施した。業務多忙や情報を発信・共有する場の未整備等の理由によりあまり知られていない、質の高いチャレンジングな取組みを通じて成果をあげている「埋もれた」事例群について分析したところ、有志の教員とホワイトカラー総合職型職員の協働作業が中核となっていることが明らかになった。 本研究のタイトルにある「ホワイトカラー総合職」は、曖昧さの残るやや抽象的な概念である。そのため、構築主義的な質的調査を進める上では好都合である一方、定量的な実態計測を行うためには操作的定義を与えることが必要となる。これまで蓄積を進めてきた事例データの分析を通じて、今年度はホワイトカラー総合職の働き方を構造化し、その成果を表現するためのマトリクス構築を行った。このマトリクスは、①個人による仕事の注力点、②新規・高度業務を巡る組織的取組み、③職場の学習支援体制、という三層から構成される。 ①個人による仕事の注力点については、取組みの類型別内訳と発展的成果について押さえておくことが有効である。②新規・高度業務を巡る組織的取組みでは、新規・高度業務への対応形態と業務を通じた高度専門性の組織的獲得が重要な論点となる。③職場の学習支援体制では、業務経験(OJT)や人事異動、そして高度業務への対応を通じて実現する学習を、組織的に支援する体制の在り方が問われることになる。 このマトリクスを基盤として、大学職員に期待される成長プロセスをモデル化し、定量的な実態を把握のための調査票を設計する取組みに着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学役職員を対象とするインテンシブなインタビュー調査は計画通りに進んでおり、蓄積された事例群の分析を通じた「ホワイトカラー総合職」概念の操作的定義に向けて、研究は順調に進展している。 この研究成果の発展的延長線上に大学職員の成長プロセスをモデル化する次段階の作業についても、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
先端的事例の収集分析を通じて「ホワイトカラー総合職」の操作的定義(マトリクス)の完成度を高めると共に、このマトリクスを基盤として、大学職員の成長プロセスおよび新たな役割についてモデルを構築する。 このモデルに即して、実態を計測するための定量調査を実施する。
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Research Products
(2 results)