2017 Fiscal Year Research-status Report
文系専門教育と関連する職業統合的学習の可能性と汎用的キャリア教育研究
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16K04641
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Research Institution | Sapporp International Junior College |
Principal Investigator |
椿 明美 札幌国際大学短期大学部, 総合生活キャリア学科, 教授 (00320581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 圭一 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30249924)
江藤 智佐子 久留米大学, 文学部, 准教授 (30390305)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 職業統合的学習 / キャリア教育 / インターンシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度のヒアリング調査の結果を受けて、地方の文系大学を対象に、学部学科の学修とつながるインターンシップ、すなわち職業統合的学習(Work Integrated Learning: WIL)の現状を調査した。職業統合的学習は、大学教育のカリキュラムと職業実践とを統合させた学習である。本調査は、大学での学習と関連したインターンシップが実際に行われているのかを探ることを目的とした。 調査対象は、地方の私立文系大学・短期大学で、北海道、長野県、九州の大学・短期大学を訪問しヒアリング調査を実施した。今回の調査から、大学・短期大学での学びと関連させたインターンシップはほとんど行われていないことが分かった。結果論として、一部の学びが関連するであろうということではあったが、カリキュラムを作る段階で意図して、科目で学ぶことを関連させてインターンシップに向けていくことを計画したものは見られなかった。 大学によっては、初年次に学外に出る授業を必修科目として設置し、その後、インターンシップ、さらにPBLと高度化するようカリキュラム構成をするなどの工夫は見られたが、教育と関連させる職業統合的学習という枠組みで組み立てられたものではなかった。 さらに、インターンシップ経験学生を対象に「フォーカスグループインタビュー」を実施した。職業統合的学習として組み込まれていないインターンシップにおいて、汎用的な学び、ビジネス実務系の知識やスキルは職場で活用ができ、学んだことを社会に出て活かすことができるということを実感したことが明らかになった。 また、文系大学の資格に関係する科目での学びにより得られた知識が、インターンシップにより広がり、理解を深めることが分かったため、専門科目以外の資格との関係性も併せて調査することで、多様な学修による学生の成長への影響も見えてくることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教育機関インタビュー、およびフォーカスグループインタビューを実施した。年度の前半は、研究の進み具合が遅く、インタビューの予定件数を少々下回ったが、学びと関連するインターンシップの状況が掴め、課題が見えてきたことにより、後半で追い込むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
私立文系大学の学部学科別インターンシップの状況について、より広範な事例にあたり、学部学科別の違いを確認したうえで、文系大学における学びと関連するインターンシップやボランティア、PBL等の類型整理をする。 職業統合的学習という意図を持たずに行っている大学が多いと考えられるが、そこに職業統合的学習という枠組みを導入することで、文系大学での学びが職業においてどのような意味があるのかを明示することに繋がり、学生が学ぶ意義についても確認することが可能となる。早期に職業統合的学習を実践している大学事例にあたり、その効果について追究したいと考える。今回の研究内容は、個別に対面することでより深く見えてくることが判明したため、今後、ヒアリングとフォーカスグループインタビューに重点を置いて進めることとした。 その後、さらに、職業統合的学習とアウトカムの関係を探り、これらの成果から、職業統合的学習を基盤とするインターンシッププログラムやカリキュラムを検討のうえ汎用的キャリア教育への提言をする予定である。
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Causes of Carryover |
教育機関ヒアリングを実施したが、北海道内が多かったことと、大学の出張時に同時に調査を行ったため旅費支出が少なく済んだ。 次年度は、ヒアリング調査で四国、九州、広島等を予定している。また、研究成果を学会で発表することと、ホームページ作成を計画している。
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Research Products
(17 results)