2017 Fiscal Year Research-status Report
中高理科教育に「プラズマ」は導入できるのか?その有用性を見極める実践的研究
Project/Area Number |
16K04704
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岩切 宏友 琉球大学, 教育学部, 教授 (80325480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (20433089)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プラズマ / 教育学 / 理科教育 / カリキュラム / 協調学習 / 教材研究 / 教科書研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
「プラズマ」は中高理科教育においてほとんど取り扱われてはいないが、昨年度に実施した調査の結果、「プラズマ」という用語自体は中学生にも広く浸透していることが明確となった。日本の中学校理科の教科書中にもプラズマと強く関連した事例が数多く記載されている。このため、今後の中高理科教育に「プラズマ」の導入を検討していく必要がある。今後、広域的な議論へと発展させていくためには、基礎的な調査と共に実践事例の蓄積が必要である。本研究では、いくつかの基礎的な調査を行うとともに、「主体的・対話的で深い学び」を踏まえた授業実践を行った。本年度の研究で得られた主な成果を以下に記載する。 ・中学校理科の教科書中における真空放電の単元を教育学部の大学生に読ませた後、真空放電やクルックス管の発光理由を問うアンケート調査を実施したところ、その理由を科学的に正しく説明できる学生はほとんどいなかった。つまり、現在の中学校理科における真空放電の単元はこのままでは深い理解が困難な状況であることが明らかにされた。 ・米国の中学校2年生(相当)の教科書中のプラズマの小単元を翻訳し,教育学部の大学生を対象とした講義を行った後,この内容を日本で実施する際の適切な学年についてのアンケート調査を行ったところ,大部分の学生は中学生を対象とした授業を行ってもよいという回答が得られた。 ・AGIC回路マーカーを使用し、諸々の工夫を施すことでミニ雷実験が教室レベルでも短時間で実施することが可能になった。 ・オーロラに関する知的構成型ジグソー法授業を実施した結果、プラズマは中学生にでも十分に理解可能であり、「主体的・対話的で深い学び」に沿った授業プログラムを作成可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特にトラブルもなく,順調に進展しており十分な成果も得られているが,業務の都合上,年度中に論文発表等の成果報告を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに進展させていくが,付属中学校や公立学校における実践研究のタイミングを早急かつ慎重に決定する。なお,6月には学会で成果発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
残額は1,802円であり,ほぼ計画通りに実施できたといえる。
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