2018 Fiscal Year Research-status Report
音楽のきき方・考え方を育成する鑑賞教材の開発研究 -ジュネーヴの教育からの示唆-
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16K04775
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
今 由佳里 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (40440838)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 鑑賞教室 / となりのオーケストラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、音楽のきき方・考え方を育成する日本の鑑賞教育の一事例として、浜松市で長年開催されている音楽鑑賞教室について調査し、その特徴をまとめた。学校外の劇場やホールにおいて行われる音楽鑑賞教室は、子どもたちの心に残る学校行事のひとつであり、生涯にわたり音楽を愛好するきっかけとなっている。鑑賞の授業は、子どもたちが受け身になりがちであり、能動的な学習活動に発展させることは難しいという声をこれまで度々耳にしてきたが、作品と子どもたちとの出会いの演出とアレンジを工夫することによって、子どもたちを積極的に音楽鑑賞に向かわせることができるのではないかと、浜松市の芸術鑑賞教室の取組みから示唆を得られた。浜松市における音楽鑑賞教室では、子どもの発達段階や小学校の学習内容に沿ったコンサートにするため、行政と教師、演奏家が協働体制で企画していることに大きな特徴があった。また一方、鑑賞活動と相互にはたらきかける表現活動の「しかけ」という点にも注目できる特徴が見られた。本取組みは、音楽のきき方・考え方を育成する鑑賞として、大きな示唆をもたらすものであった。なお本研究の成果は「行政・教師・演奏家が協働でつくる音楽鑑賞教室の取組み -浜松市における『となりのオーケストラ』からの示唆」として『鹿児島大学教育学部教育実践紀要』第28巻に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年7月にこれまでの研究成果を国際学会において発表する予定であったが、公務の関係で学会発表のための日程が調整できず、参加を見送った。そのため、発表を2019年7月マカオにおいて開催されるAsia Pacific Symposium for Music Education Researchに持ち越し、その機会に国内外の研究者から本研究に関する意見を聴取し、本課題の研究成果としてまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は2019年7月にマカオで開催されるるAsia-Pacific Symposium for Music Education Researchにおいて研究成果を発表し、本課題の研究成果をまとめていきたい。
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Causes of Carryover |
2018年7月に国際学会において発表を予定していたが、日程を調整できず参加を見送ったため、出張旅費に残額が生じた。次年度マカオで開催される、Asia Pacific Symposium for Music Education Researchにおいて発表することが決定したため、その海外出張旅費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)