2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Group Adaptation Behavior from the Well-Being Perspective in Elementary School
Project/Area Number |
16K04828
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
相澤 雅文 京都教育大学, 教育創生リージョナルセンター機構, 教授 (10515092)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 社会性発達 / Well-Being / 児童期 |
Outline of Annual Research Achievements |
公立小学校を対象として「児童の楽しみ・安心に関する調査」を実施した。通常の学級に在籍する児童が「楽しみ」や「安心感」を感じる環境要因について検討することを目的とした。何をしているときに楽しいと感じるかについては「友達と遊ぶ」ことが最も多かった。そうした中で「友達と遊ぶ」ための場所として「学校」は重要な役割を果たしていた。子どもたちが人間関係を育み,意欲的あるいは主体的に社会性発達のプロセスを進めていくための社会化のエイジェントとして,学校は,他者との関係作りを経験する重要な場となっていた。ルールに従うこと,他人と関わるための情動コントロール,あるいは社会的価値観の獲得といった社会性発達において学校の果たす役割は大きい。「一緒にいて楽しい人」「一緒にいて安心な人」についても「友達」が最も多く,児童期においての友人関係の大切さが示された。一方で課題としては,児童にとって楽しいと感じる場所は,「家庭」と「学校」とを比較すると「家庭」が有意に多いことがあげられた。特に学年が進むにつれて「家庭」が楽しいと感じる児童が増加する傾向が示された。また,男児は女児と比較し「学校」より「家庭」が楽しいと感じる傾向が強かった。「遊びから協働へ」,「協働から学びへ」といったことを経験することにより,主体的・対話的で深い学びが実現される。課題を発見し,その解決に向けて仲間と協働して解決に向けて探究していく学びの姿,その実現には,学校という学びの場が楽しさに満ちていなければならないと考えられた。本研究において,社会化のエイジェントとなる仲間関係や教師といった,学校における個を取り巻く人的環境からの影響は学年進行と共に弱まり,ゲームやネット文化に移行していくという,児童期の社会性発達に関するメカニズムにおける課題の一端が示された。
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Research Products
(11 results)