2018 Fiscal Year Research-status Report
行列と超幾何級数に関連した代数的組合せ論とその周辺
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16K05060
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
田川 裕之 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80283943)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 行列 / 超幾何級数 / Aztec rectangle / フィボナッチ数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では, 行列と超幾何級数に関連した3項目「Aztec rectangle の数え上げ問題の拡張と解明, 及び超幾何級数を成分に持つ行列式の解析」「矩形行列式, Hankel 型行列式, Hankel 型 pfaffian に関する等式の拡張と応用」「leaf poset の組合せ論的特徴付けと拡張及び一般化」について代数的組合せ論の観点から, 広く横断的な研究を行うことを目的とした研究を行い, 今年度は主として次の結果を得た。 ・高さを r までに制限した (0,0) から (2n+m,m) への拡張された Schroder path の個数が, 0≦m≦r, 0≦n≦(r+2)u-m+r を満たす場合には, 2F1 の超幾何級数 2u+1 個の和として表せることを証明した。尚, 系として, 高さを制限した Dyck path の個数を表す公式が得られた。 ・岡山大学理学部の石川雅雄氏と, 90度回転不変な穴の開いた Aztec diamond の domino tiling の共同研究を行い, カステリンの方法を用いた数式処理による実験結果を分析することで, 複数個の穴が規則的に空いている場合の domino tiling の個数に関する多数の予想式が得られた。 ・和歌山大学教育学部において, フィボナッチ数のべき乗和の等式のリュカ数を用いた一般化及び z-analogue の共同研究を行い, z-analogue されたフィボナッチ数のべき乗和の公式が得られた。また, 証明に利用した 2F1 の超幾何級数に関連した等式を分析することで, 4F3 の超幾何級数の新しい4項間関係式と4種類の積公式を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
形を制限した Aztec rectangle の domino tiling を解析するための手段となることが期待できる「高さが制限された Schroder path の個数を表す等式」を探し出すことができた。また, 新しい超幾何級数の等式や関係式を発見し, さらに, 多数の予想式等が得られた。これらの結果は今後の研究の進展に大いに寄与すると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果をもとに, さらに研究を進展させる。具体的には次となる。 ・Aztec diamond, Aztec rectangle, Schroder path, Dick path, フィボナッチ数, 超幾何級数, q超幾何級数に関連した予想式の証明及び新しい等式の発掘と拡張。 ・矩形行列式, Hankel 型行列式, leaf poset への応用と拡張。
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Research Products
(2 results)