2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K05079
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤田 育嗣 日本大学, 生産工学部, 教授 (50514163)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ディオファンタスのm組 / 楕円曲線のMordell-Weil群 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的1の「楕円曲線 E:y^2=x^3-m^2 x+n^2 (m,n は互いに素な正整数)のMordell-Weil群 E(Q) の生成元および E と双有理同値な4次曲線の整数点を (rank E(Q)=2 等の仮定の下に) 決定する.」について,m=1, n=1 の各場合に(ある条件の下で),ある 2点 (n=1 の場合は 3点) がいつも E(Q) の生成元になり得ることを示すことができ,まとめた論文(奈良忠央氏との共著)は Publicationes Mathematicae Debrecen から出版された. 目的3の「ディオファンタスの 3組の正則でない 4組への拡張の有限性」について,任意に固定したディオファンタスの 3組の正則でない 4組への拡張の個数は高々10個であることを証明し,まとめた論文(宮崎隆史氏との共著)は Transactions of the American Mathematical Society から 2018年6月に出版されることが決まった.さらにこの個数の上限を改善した結果をまとめた論文(Mihai Cipu氏,宮崎隆史氏との共著)が International Journal of Number Theory から 2018年4月に出版されることが決まった. 目的3の「{k, A^2K+2A, (A+1)^2k+2(A+1)} を含む 4組の正則性を示す」については,任意の正整数 k, A について示した結果をまとめた論文(Mihai Cipu氏,Maurice Mignotte氏との共著)が Science China Mathematics から出版された. また,目的3に関連して,フィボナッチ数からなるディオファンタスの4組は高々有限個しか存在しないことを Florian Luca氏と共に示した論文が Glasnik Matematicki より出版され,さらに,フィボナッチ数からなるディオファンタスの4組は存在しないことを同じく Florian Luca氏と共に示した論文が Acta Arithmetica に受理された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に予定していた研究内容がすべて論文として完成して査読付き雑誌に出版された上に,目的3と関連するが当初は予定していなかった Florian Luca氏との共同研究が成功してさらに2つの論文が査読付き雑誌から出版されることが決まったため.
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Strategy for Future Research Activity |
目的2の「曲線 C:(x+αy)(x^2-βxy+γy^2 )=m について,局所的高さを利用して標準的高さを計算することにより,C(Q) の生成元や C の整数点を明示的に調べる」については,実際に計算してみたところ芳しい結果は得られそうにないことが分かったので,代わりに,4次の曲線 u^2+v^4=m や u^2-v^4=m (m は 0 でない整数)上の整数点を調べる予定である. 目的3については,新たに,b が a^2 に近い場合のディオファンタスの2組 {a,b} の4組への拡張可能性について,Mihai Cipu氏,Alan Filipin氏と共同研究する予定である.
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年10月30日(月)から11月1日(水)まで,京都大学数理解析研究所で開催された研究集会「解析的整数論とその周辺」において,クロアチアの Andrej Dujella氏およびルーマニアの Mihai Cipu氏を招へいし講演をお願いしたが,Dujella氏は自身の研究費を利用して来日し,また,Cipu氏の旅費については事前に購入したため予想を遙かに下回る金額で航空券を購入することができた.さらに,彼らの宿泊費は数理解析研究所の研究費でまかなうことができた.以上により,次年度使用額が生じた. (使用計画) 例年通り,国内の研究集会に参加することに加えて,平成30年度10月に Purdue 大学にて Diophantine m-tuples and related problems に関する研究集会が開かれるので,この集会に参加する予定である.
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Remarks |
2017年10月30日(月)~2017年11月1日(水) に京都大学数理解析研究所で開催された研究集会の研究代表者を務めた.
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Research Products
(13 results)