2017 Fiscal Year Research-status Report
一般化された量子群およびコクセター亜群に関連する代数系の研究
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16K05095
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山根 宏之 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (10230517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ホップ代数 / 量子群 / 一般化された量子群 / ワイル亜群 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は3編の論文が受理され、1編のプレプリントを作成した。これらの4編の論文の作成にかなりの時間を割いた。1編は、研究開始当初から7,8年を要した一般化された量子群の中心に関する研究である。量子群は通常はセール関係式によって定義される。量子群の重要性の主な理由は普遍R行列が量子群の中に存在するという事である。普遍R行列を構成するにあたって量子群の上に存在するドリンフェルド内積が利用される。ドリンフェルド内積がかなり一般的な状況で存在することが2000年代に入って注目されている。一般的なドリンフェルド内積をもつホップ代数を一般化された量子群と呼ぶ。研究代表者は2008年に一般化された量子群を研究する上で重要なコクセター亜群を研究し松本型定理を得た(共著)。2010年頃に一般化された量子群のシャポバロフ行列式の公式を得た(共著)。2010年に一般化された量子群のシャポバロフ行列式の公式を得た(共著)。2015年に一般的された量子群の有限次元既約表現の分類を得た(共著)。これらの結果をもとにして平成29年度に受理された論文は,それぞれ,一般化された量子群の中心に関するハリシュ‐チャンドラ型定理(共著),多変数量子群のルスティック‐コスタント形式(共著),コクセター亜群のブルュワー順序である(共著)。平成29年度の前半は特に2つ目の論文に時間を割いた。へッケンバーガー‐ルスティック同型写像が定数倍をのぞいてコクセター亜群の関係式を満たすことはへッケンバーガーによって示されていたが多変数量子群のときに定数倍込みで満たすことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文を3編出版した。一般化された量子群の中心に関する論文は着想から8年くらいかかった。研究そのものについては教育に時間とエネルギーを割かなければいけなかったためもっと効率の良い方法があったのではないかと思われる。一方で教育を実行するなかで新しい研究方法も見つかった。
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Strategy for Future Research Activity |
一般化された量子群のある種の有限次元既約表現から標準的な議論でその中心の元が構成できることを示し、それらの中心の元が中心の基底になっているという予想を立てる。低いランクの場合のいくつかの具体例でその予想が正しい事を示し、予想の解決法をさぐるかもしくは困難性をはかる。一般化された量子群の指標公式への応用に着手する。アファイン型の一般化された量子群のPBW基底および普遍R行列の構成に着手する。それが完成したらその表現論を研究しヤコビ3重積公式のような等式への応用を考察する。そのためにアファイン型コクセター亜群の基本ウェイト元の被約表示を求める。被約表示に限らないコクセター亜群のブルュワー順序を研究する。これらの研究のためにスーパーリー代数の定義関係式を求めた私の学位論文から25年以上にわたって効力を発揮してきたマテェマティカによる非可換代数の関係式をグレブナー法によるプログラムの改良をはかる。コクセター亜群のケーリーグラフの研究をする。多重量子群のexp(adE)exp(-adF)exp(adE)型ルスティック型同型写像の構成を考察し結晶基の研究をする。
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Causes of Carryover |
プロシ-ディング出版費用のためにまとまった額を翌年に繰り越した
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