2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K05119
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 真琴 茨城大学, 理学部, 教授 (30186332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 博 茨城大学, 理学部, 准教授 (30385489)
大塚 富美子 茨城大学, 理学部, 准教授 (90194208)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ツイスター空間 / リッチ・ソリトン / 線織面 / スカラー曲率 / グラスマン多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポアンカレ予想の解決にも用いられた、リッチ・フローの解であるリッチ・ソリトンは、アインシュタインの計量の一般化としても盛んに研究されている。研究代表者は、部分多様体論の観点からリッチ・ソリトンの構成を目指してきたが、本研究では、n次元の2つの単位球面の積に対してn+1次元の直交群をdiagonalに作用させた時に、その作用で不変なn次元部分多様体で、極小になるための条件と、gradient リッチ・ソリトンになるための条件を、それぞれ書き下した。この結果は、J.T. Cho 氏との共同研究として、韓国数学会の雑誌に発表予定である。 極小曲面やアインシュタイン計量、リッチ・ソリトンなど、重要な変分問題の多くは偏微分方程式で記述され、一般に解くのは難しいが、対象とする多様体に対称性を仮定して方程式をより単純な形にして考察することが行われてきた。曲面の場合には、そのような対称性をもつものとして「回転面」と「線織面」がある。研究代表者は、以前複素射影空間内の「線織」実超曲面を定義したが、完備にはならず、必ず特異点をもつことが分かっている。一方で、複素双曲空間の場合には、線織実超曲面でも完備で、さらに等質なものの存在が分かっている。本研究において、複素双曲空間内の線織実超曲面Mと、指数が1の不定値複素射影空間内の実1次元の曲線Cが自然に対応することを示した。そして、実超曲面Mの「スカラー曲率が一定」であることと曲線Cが「光的」であることが同値であること、およびMが「極小」であることとCが「測地線」であることが同値であることを示した。この結果は前田定広氏と田邊弘正氏との共同研究で、発表準備中である。さらに、複素射影空間の測地線の1-パラメーター族からなるラグランジュ部分多様体と、複素2-平面グラスマン多様体のツイスター空間内の部分多様体との関係についても準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度以降4編の論文が発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
複素2-平面グラスマン多様体のツイスター空間と、複素射影空間の測地線のなす空間の同一視を用いて、複素射影空間内の興味深い部分多様体の構成と考察をさらに進めるとともに、複素双曲空間においても同様の研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
入試業務多忙により、予定していた研究打ち合わせのための出張にいけなかったが、今年度はその業務が終了したので、積極的に研究打ち合わせを行っていきたい。
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Research Products
(6 results)