2019 Fiscal Year Research-status Report
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16K05119
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 真琴 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (30186332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 博 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (30385489)
大塚 富美子 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (90194208)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 実超曲面 / φ-断面曲率 / スカラー曲率 |
Outline of Annual Research Achievements |
微分幾何学において、最も重要な量の一つが曲率であり、対象に応じて様々な曲率が定義されている。我々が研究対象としている、複素空間形内の実超曲面について、外の空間から自然に誘導される概接触構造に関するφ-断面曲率もその一つであって、それが一定である実超曲面は幾何学的に良い構造をもっていると考えられる。研究代表者は1987年に複素射影空間の実超曲面で、そのφ-断面曲率が一定であるものは3つのクラスに分類できることを示した:(1)測地的超球面、(2)線織超曲面、(3)複素射影超平面内の線織超曲面の2-パラメーター族からなる実超曲面。この内で、(1)と(2)についてはそれぞれ良く分かって具体例も得られていたが、(3)についてはその構成法も具体例も分かっていなかった。今回の研究により、新たに(2)については複素射影空間内の実1次元曲線と対応することと、(3)については複素射影空間内の実2次元曲面で、複素構造について「不変でない」ものと対応することがわかった。この系として、複素射影平面の実超曲面で、その構造ベクトル場がリッチテンソルの固有ベクトルとなっているものの分類が得られた。特に、複素射影平面内のラグランジュ曲面上のチューブは、初めて研究されたものと思われる。 複素双曲空間内の線織超曲面については、指数が1の不定値計量をもつ複素射影空間内の曲線と対応することがわかった。特に、線織超曲面のスカラー曲率が一定であることと、対応する曲線が「光的」であることが同値であり、線織超曲面が極小であることと、対応する曲線が測地線であることが同値であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は3編の論文が出版された、あるいは出版予定である。研究発表についても、海外で北京、大邱、イスタンブール3回の招待講演を行った。国内でも金沢大学で開催された日本数学会秋季総合分科会において、幾何学分科会の特別講演を行った他、4件の招待講演を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
四元数対称空間のツイスター空間に関わる部分多様体論について、まず複素射影平面および複素2-平面グラスマン多様体の四元数ケーラー構造に関する半分次元の全複素部分多様体とそのツイスター空間へのツイスターリフトについて、さらに詳しく研究していきたい。また、G型の例外型リー群に対応する四元数対称空間についても、6次元球面内の部分多様体との関連を調べていく。さらに、複素射影空間内のラグランジュ分多様体との関連についても、研究を深めていきたい。
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Causes of Carryover |
2020年3月に韓国での研究打ち合わせと、トルコでの研究打ち合わせ及び研究成果発表が予定されていたが、新型コロナ蔓延によりどちらも中止になってしまったので、次年度使用額が生じた。次年度には、中止になった2件の出張を実行したい。
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Research Products
(10 results)