2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05162
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚本 達也 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10350480)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 結び目 / リボン結び目 / プレッツェル結び目 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,結び目図式を局所的に変化させる局所変形を用いて,結び目の集合全体の構造の解明や,個々の結び目の位相的性質を把握することである. 平成30年度においては,過去2年度に引き続き単純リボン融合に関する研究を進展させ,さらに昨年度から取り組んでいる,プレッツェル結び目の研究にも注力した.まず,リボン融合は結び目理論において重要な類であるリボン結び目を生成する変形で,単純リボン融合はその特殊な場合であるが,全てではないものの非常に多くのリボン結び目(単純リボン結び目)を生成することができる.また,融合に関わるバンドの本数を型とし,固定された型Mを持つ単純リボン融合を有限回施すことで自明な結び目から得られる結び目をM型単純リボン結び目というが,異なる自然数M,Nに対し,M型かつN型の単純リボン結び目は(1型かつ2型の単純リボン結び目である)スクエア結び目以外に存在するかという問題がある. この問題に対し,既に得られた単純リボン結び目のアレキサンダー多項式の特殊値を検証することで,いくつかのM,Nの組を除いて,そのような単純リボン結び目は存在しないことを示した.次に,パラメータの符号が1つを除いて一致するようなプレッツェル結び目に対し,スライス結び目となる条件を求めた.特に,奇プレッツェル結び目については必要十分条件を得ることができた.いずれの結果も査読付き国際雑誌に投稿するため論文を作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単純リボン融合について,予定通り進展しているだけでなく,プレッツェル結び目の研究への発展も得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
単純リボン融合に関しては得られた結果を論文にまとめ国際雑誌に投稿し,研究をさらに発展させる.また,進展を見せているプレッツェル結び目の研究についても一層注力したい.その他の局所変形についての研究も計画に沿って行う.
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Causes of Carryover |
夏に開催に関わった国際研究集会において,必要な費用が予定より大幅に少なかったため.繰り越した研究費は,使用パソコンが想定より早く劣化してきたのでその買い換え費用に充てる.
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Research Products
(4 results)