2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05162
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚本 達也 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10350480)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リボン結び目 / リボン融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,結び目図式を局所的に変化させる局所変形を用いて,結び目の集合全体の構造の解明や,個々の結び目の位相的性質を把握することである. 令和2年度においてはこれまでに引き続き単純リボン融合に関する研究を進展させた。リボン融合は結び目理論において重要な類であるリボン結び目・絡み目を生成する変形で,単純リボン融合はその特殊な場合であるが,全てではないものの非常に多くのリボン結び目・絡み目(単純リボン結び目・絡み目)を生成することができる。 令和2年度においては単純リボン融合と結び目・絡み目の素性との関連の解明に取り組み,論文を1編完成させ投稿・出版した.単純リボン融合は一般に結び目・絡み目の種数を下げない変形である.このことから分かるように結び目・絡み目の「複雑さ」を増加させるものであり,素性についても明らかに素でない結び目・絡み目を生成するように施した場合を除くと,単純リボン融合を施して素でない結び目・絡み目が得られることは非常に限られた場合しかないことが期待されている.2013年に発表した論文において結び目に施した場合は決定することができたが,今回その結果を一般の絡み目に施した場合まで拡張することができ,明らかに素でない絡み目を生成するように施した場合を除いて,単純リボン融合を絡み目に施して得られる絡み目は素であることを示すことができた.このことにより,単純リボン融合によって素でない得られる結び目・絡み目は本質的に三葉結び目とその鏡像との連結和か,2つの8の字結び目の連結和の2種類しかないことが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により,予定していた研究出張等を中止せざるを得なかったり,またオンライン授業対応のために研究時間を十分に取ることが出来なかった.そのため研究期間を1年延期した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度においてオンライン授業へは十分対応することができたため通常通り研究を行うことができるようになった.新型コロナウイルスの影響により研究出張は行うことが今だ出来ないが,セミナーや研究集会がオンラインで開催されるようになったのでこれまで以上に参加できるものが増えた.これまで通りとは行かないが新しい研究様式にできるだけ早く対応することで,予定通り研究課題を推進・完成できると確信している.
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Causes of Carryover |
新型コロナ問題が長引き研究出張が全く出来なかったため.令和3年度においては使用しているパソコンや ipad, スキャナの買い換えおよび電子論文の購入に使用する.
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Research Products
(3 results)