Outline of Annual Research Achievements |
本研究において得られた結果を次に挙げる: 1.一列型Koornwinder多項式の超幾何級数的な明示公式を構成し,同時にパラメータを特殊化することで,一列型B,C,D型Macdonald多項式の超幾何級数的な明示公式を構成した.また,一列型C,D型Macdonald多項式の組合せ的明示公式を構成した. 2.一列型C型(またはD型)Macdonald多項式と単項対称多項式間の遷移行列を具体的に記述し,その各成分がCatalan数(または二項係数)のb,q,t-変形(またはq,t変形)を与えることを示した.この応用として,一列型C, D型Hall-Littlewood多項式とSchur多項式間の遷移行列を記述し,一列型C, D型t-Kostka多項式の具体形を与えた. 3.一列型Koornwinder多項式のパラメータ(a,b,c,d)を(a,b,c,d)→(a,-a,c,d)→(a,-a,c,-c)→(t^1/2 c,-t^1/2 c,c,-c)→(t^1/2,-t^1/2,1,-1)と退化させた多項式列間の,それぞれの基底の変換行列C達をBressoudやKrattenthalerのmatrix inversionを用いて記述した.特に,Cの成分が階数nに依らないこと(「安定性」と呼ぶ)を示した.(ここで,1行型Koornwinder多項式については, 1行型の退化多項式のみを基底として選べず, 基底の変換行列はこの性質を持たない. またA_n型Macdonald 多項式は「安定性」の性質を持ち分規則が記述されているが, A_n型以外で「安定性」はこれまで知られていなかった).この応用として,一列型B型Hall-Littlewood多項式とSchur多項式間の遷移行列を記述し,一列型B型t-Kostka多項式の具体形を与えた.
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