2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of homogenization and fluctuations in random media
| Project/Area Number |
16K05200
|
|---|
| Research Institution | Kyoto University |
|---|
Principal Investigator |
福島 竜輝 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (60527886)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | ランダム媒質 / 大偏差原理 / 零温度極限 / 局在現象 / 均質化 / ランダムウォーク |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は以下の通りである．
1．Amir Dembo，久保田直樹両氏と共同で空間非一様な待ち時間を持つ1次元のランダム媒質中のランダムウォークの大偏差原理について研究を行った．大数の法則の意味では正の速度を持つが，それより遅い速度をになる確率が劣指数的に減衰する状況の詳細な解析を行った．
2．Jian Ding, Rongfeng Sun, Changji Xu三氏と共同でランダムに配置された障害物を避けるように条件づけられたランダムウォークの研究を行い，媒質について平均をとった時には軌跡の形状が球に収束することを示し，境界の揺らぎについても精密な評価を得た．さらにその研究で培った技術を応用して流れを伴う状況も考察し，長年未解決であった流れの影響が小さい場合のスケール極限の問題についても一定の進展を得た．
3．Jean-Dominique Deuschel氏と共同でrandom walk in random sceneryの研究を行い，最も古典的なKesten-Spitzerの設定で大偏差原理の評価を得た．またその成果から，ある種のランダム媒質中のランダムウォークについて局所極限定理やグリーン関数の均質化が容易に従うことも示した．
4．Stefan Junk氏と共同でPoisson配置された障害物を避ける方向付きポリマーの問題を考察し，零温度極限において自由エネルギーが連続であることを示した．
5．Alejandro Ramirez氏と共同でランダム媒質中のランダムウォークの速度が非退化になる条件について研究を行い，空間次元が4以上で媒質の影響が小さい時に新しい十分条件を見出した．
|
