2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05282
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
吉田 祐治 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (90192426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 数理ファイナンス / リスク / 効用 / 不確実性 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は次の通りである。不確実性の数学的表現として、確率場を扱う確率論や統計学はネットワーク化された社会基盤に多大な貢献をしている。近年は、金融不安や地震災害など様々なリスクの中で、安定した社会基盤を築くことが求められている。リスクは不確実性と深くかかわり、リスクの数学的性質は心理学や経済学など様々な分野で研究されてきた。本研究では、経済や災害のリスク環境における意思決定の解析的性質を数理計画の観点から考察する。とくに、リスクを伴う確率場と意思決定者の評価基準の相互関係について数理的モデルを用いて研究する。また、社会や経済におけるリスクの連鎖も研究目的とし、ダイナミックスを伴うリスク環境における意思決定の解析的推移を数理計画の観点から研究する。 本年度は、初年度の項目(a) Value-at-Riskを用いたcoherent risk measure一般化 (b) リスク測度の構築 (c) 効用関数の統合の研究と多目的リスク回避への研究に加え、(f) 離散時間の決定過程全体としてリスク評価基準 (h) 最適決定の数理ファイナンスへの応用を行った。 (a)については、初年度の結果がSpringer出版の共著書のPart IVやLecture Notes in Electric Engineeringで出版され、その発展形を(f)との関係で国際会議FUZZ-IEEE 2017で発表した。(b)については、国際会議ISCBI 2017で議論した。(c) については多次元効用関数の比較という結果が得られ、国際会議MDAI2017で発表した。(f)については、数理計画の双対性を用いたモデルを国際会議IFSA-SCIS2017で発表し学術論文Procedia Computer Scienceに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目以降の研究項目については、研究の進捗状況に合わせ順番は前後するが。おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究を発展させるとともに、研究項目(e) 経済学での効用理論とリスク測度の研究を行いたい。この項目は初年度の研究項目(a)(b)(c)とも密接に関係し、全く新しい展開が期待できる。研究成果が得られれば、国際会議で議論し成果を発表・公開していきたい。
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Research Products
(14 results)