2019 Fiscal Year Research-status Report
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16K05331
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
太田 信義 近畿大学, 理工学部, 教授 (90167304)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 量子重力理論 / くりこみ群 / 漸近安全性 / 有効作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、目標としている重力の量子論とその応用、検証に関して以下のような成果を得た。 重力の量子論を定式化するのにくりこみ群を使う方法で、重力、電磁場、荷電ディラック場、及び荷電スカラー場が入っている系について、量子効果の入った有効作用を求めた。計算は非常に複雑であるが、1名の外部ポスドクの協力を得て、計算機を援用して完成した。結果は非局所な項を含み非常に興味深いものであるが、実際の過程に応用するのは今後の課題である。 以上の成果について、以下の発表を行った。4月16日、17日に大阪市立大学南部陽一郎物理学研究所主催の講義において、研究の主題について導入的な講義を行った。6月にはイタリアのカターニアにおいて開催された国際研究会Gravity and Other Fields Under the Volcanoにおいて、研究成果の発表を行い、続いて同所で開催された3rd FLAG meeting: the Quantum and Gravityにも参加して情報収集をした。8月19日から23日に京大基礎物理学研究所で開催された研究会Strings and Fields、9月9日から13日にドイツのハイデルベルクで開催されたQuantum Gravity and matter、9月16日から18日に山形大学で開催された日本物理学会、10月11-13日に中国の杭州で行われたUnited Center for Gravitational Wave Physicsの開所式に続く講演会で招待講演、12月3日ー6日に高エネルギー加速器研究機構で行われた国際研究会KEK Theory workshop 2019において招待講演として発表し、多くの興味を集めた。3月にもいくつか招待講演の予定などがあったが、コロナウィルスの影響で延期またはキャンセルになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では、重力の量子論の定式化における様々な問題点の整理をし、それらを解決する方策を探るとともに、非摂動的にくりこみ可能な理論の量子効果を含む有効作用を求めることを目標としていた。これらの目標はほぼ達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
漸近的安全性により重力の量子論を構築していく上で残されている重要な問題のうち、非摂動的にくりこみ可能な理論をどの範囲にまで限ったら良いかという問題に目処がつき、論文を完成させた。今後は、くりこみ群を用いて、この理論が低エネルギー現象にどのような影響を持つのかを、くりこみ群方程式を低エネルギーまで積分することにより調べたり、またブラックホールや宇宙初期の特異点に対する効果など、物理的な結果を得て、実験、観測的な予言を行い、この理論を検証することを目指す。
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Causes of Carryover |
2020年3月にイタリアのトリエステにあるSISSAに出かけて、Roberto Percacci教授と共同研究する予定であったが、コロナウィルスのために出かけることができなかった。問題が終息した後に、再び訪問して研究を推進する予定とした。
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Research Products
(10 results)