2018 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study of double spin-isospin excitation
Project/Area Number |
16K05367
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐川 弘幸 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (50178589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アイソスピン / ガモフ・テラー状態 / 2重β崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2重電荷交換反応により明らかになる、2重アイソスピン相似状態、2重ガモフ・テ ラー励起や2重スピン双極子励起状態などのスピンーアイソスピン励起を理論的に研究した。微視的 理論として、ハートリ・フォック・ボゴリュウボフ (HFB) 理論及び準粒子乱雑位相近似 (QRPA) 模型 を基に、2重電荷交換反応で観測されうる集団励起状態を記述する理論的枠組みを構築した。ま た2重巨大ガモフテラー励起及び2重巨大スピン双極子型励起を統一的に扱うことにより、零ニュー トリノ型2重β崩壊の定量的分析を確立することを目指した。 τ-/+ 型2重電荷交換反応に於ける2重スピン・アイソスピン励起状態の研究とアイソスピン5 重項の対称性の検証に関しては、 τ-/+ 型1重電荷交換反応によるスピン・アイソスピン励起状態を、N=Z 近傍核で行った。陽子非弾性散乱で得られるスピン型磁気双極子遷移とτ- 型励起の遷移強度を比べることにより、アイソスピン対称性を検証した。τ+ 型2重電 荷交換は、( 18O,18Ne), (8He,8Be), (14C,140) 反応で可能であり2重スピン・アイソスピン励起状 態の観測が期待される。τ- 型と τ+ 型の1重及び2重スピン・アイソスピン励起状態の比較によ り、アイソスピン5重項の対称性の検証が可能になる。実験的には今後の測定が計画されているが、我々は、自己無撞着な HFB+CXQRPA 理論にテンソル力及び陽子中性子対相関を組み入れ新しい方の集団運動状態及び新しい相関の検証した。また2重アイソスピン相似状態への荷電非対称力、荷電非独立力の効果の検証可能性をしめした。この中で2重アイソスピン相似状態には、これらの力の効果が重要であることを指摘し、実験との協力的な作業によりアイソスピン対称性の新しい次元を確立することを可能にした。
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