2018 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study on generation and frictional properties of amorphous fault gouge layer
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16K05575
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 昭人 京都大学, 理学研究科, 助教 (90324607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10324609)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 岩石摩擦 / 水晶 / 高速弱化 / ゲル潤滑 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題においては,珪質断層における断層物質(ガウジ層)の非晶質化・水和化とその変形プロセスが地震時の断層潤滑(強度弱化)の過程に及ぼす効果の解明を目的とし実験的研究をおこなった.試料として人工水晶を主として用い,湿度条件(相対湿度 22 ~ 74 %)と乾燥条件(湿度< 3 %)のそれぞれの雰囲気について以下の実験を実施することで,空気中の水分吸着の摩擦への影響を調べた:①すべり速度v = 105 mm/s におけるslide-hold-slide (SHS) test,②様々なすべり速度での定常摩擦実験.摩擦実験には,京都大学の回転式中-高速摩擦試験機を使用した. すべり弱化終了直後の試料の構造観察の結果,Hayashi and Tsutsumi (2010)でチャートについて報告された構造と酷似した,極細粒層状の構造が形成していることが確認された.FT-IR,ラマン分光分析の結果,この細粒層状構造をなす部分は水和した非晶質シリカより成ることがわかった. SHS testの結果,湿度条件ではhold時間に依存した初期摩擦の増加が確認されたが,乾燥条件では,そのような摩擦の増加は全く見られなかった.摩擦の定常値においても,湿度条件では,v > ~1 mm/sで速度が増加すると摩擦の減少する様子(速度弱化)が確認されたが,乾燥条件では,このすべり速度では定常摩擦の変化は確認されなかった.このすべり速度域では,Mizoguchi et al. (2006) が指摘したように,ガウジ粒子間への空気中の水分の吸着が,摩擦の大きさを支配している可能性がある.一方で,乾燥条件であっても,v が 0.1 mm/sより低速の条件については定常摩擦の速度弱化が確認された.今後.低速の条件で起こる摩擦強度弱化の原因についての詳細な研究が必要である.
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Research Products
(2 results)