2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on photodegradation of polymer-based organic solar cells
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16K05952
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福島 達也 神戸大学, 工学研究科, 講師 (70705392)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / 有機半導体高分子 / 分光分析 / 材料劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、身の回りに存在するエネルギーを電力に変換するエナジーハーベスティングが注目されている。その中でも光を利用するものとして太陽光発電が挙げられ、エネルギー源が太陽光であるためエネルギーとして枯渇しないこと、二酸化炭素を排出しないことなどの様々な利点がある。太陽電池にはシリコン系や化合物系、有機系といった種類が挙げられるが、本研究課題では次世代の太陽電池として期待されている有機薄膜太陽電池に注目した。近年の有機薄膜太陽電池の研究は実用化に向け、変換効率向上に重きが置かれ、その素子性能を向上させるため様々な手法を用いた研究がおこなわれている。これら素子性能の向上に加えて、太陽電池の耐候性向上は実用化にとって重要な課題であるが、有機薄膜太陽電池を構成する有機半導体材料自身の光劣化メカニズムに関する研究は十分とはいえないのが現状である。本課題にて展開した塗布型有機薄膜太陽電池には分子構造の設計自由度を生かした様々な有機半導体高分子が用いられている。その光電変換特性は着実に向上している一方、有機半導体自身の光劣化に関する研究は少ないのが現状である。本研究では、分光分析法を用いて、有機半導体高分子の光劣化メカニズムの解明を試みた。その結果、疑似太陽光照射による有機半導体高分子の光劣化に伴う分子構造変化およびその定量的な変化の解明に成功した。今後、本研究をさらに進めることにより、光電変換材料の光や熱に対する「分子骨格の弱点」を明確にすることができれば、分子設計へのフィードバックにより、耐候性の優れた有機半導体高分子の創製が可能なると予想される。本研究にて展開したドナー・アクセプター混合状態ならびに分子構造を含めた一連の解析は基礎的であると同時に、応用面においても有機太陽電池の分野で不足している耐候性向上に関する指針を与えるものとして、意義があると考えられる。
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Research Products
(18 results)