2016 Fiscal Year Research-status Report
穴内面穴放電加工法の開発-穴加工の常識を打破する穴内面への穴加工技術の確立-
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16K06012
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 徹 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (20313421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放電加工 / 穴加工 / 穴内面穴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,あらかじめ加工された直穴の内面に対し,放電加工を用いて穴を創成する方法を開発し,さらに,深穴や曲がり穴および異形断面穴といった多様な形状の穴を創成する方法を開発することである.本研究では,このような穴を「穴内面穴」と,また,その加工を「穴内面穴加工」と呼ぶ. 当該年度は,直線形状をした穴内面穴を対象として,その創成方法の確立および加工可能な穴内面穴の形状の多様化と高精度化を中心に研究開発を進めた.得られた主な成果や進展を以下に示す. 1.装置の改良:改良前の装置では,穴内面穴の加工中に装置を一時停止させたうえで装置の一部を取り外すという煩雑な作業を繰り返すことが必要であった.そこで,この作業を省略できるように装置を改良した.改良後の装置では,装置の一時停止や取外し作業が必要なくなり,遅滞なく穴内面穴を加工できるようになった. 2.穴内面穴の長距離化と高精度化:長距離化については,電極や放電加工条件などを変更することにより,これまで100mm程度が最長であった穴内面穴の長さを最長で130mm程度まで延長することができた.また,高精度化については,板ばねの形状を改良することにより,穴内面穴の真直度を向上させることを目指したが,予想と反して真直度は悪化した.この結果から別の観点からの改良が必要であることがわかった. 3.あらかじめ加工された直穴と穴内面穴の内径比率の多様化:あらかじめ加工された穴の内径は21mmであるのに対し,これまでに加工できた穴内面穴の内径は3.1mmのみであった.すなわち,前者の内径に対する後者の内径の比率は約15%であった.そこで,電極の形状や放電加工条件などを工夫することによって,加工可能な穴内面穴の内径を10.1mmまで拡大させることができた.すなわち,同比率を約48%まで上昇させることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置の改良が奏功し,装置の運転に不可欠であった煩雑な作業が省略することができたため,動作実験や加工実験が効率的に行うことができるようになった.さらに,穴内面穴の長距離化,および,あらかじめ加工された直穴と穴内面穴の内径比率の多様化に関しては,一定の成果をあげることができた.また,穴内面穴の真直度の向上に関しては,挑戦したものの意外な結果となった.しかしながら,この結果は示唆に富むものであったため,今後の研究開発に良い影響を与えるものと考えている.以上より,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,直線形状をした穴内面穴を対象として,加工可能な穴内面穴の形状の多様化と高精度化に関する研究開発を推進する.それとともに,この研究開発において獲得したノウハウを基盤にして,曲線形状をした穴内面穴を対象とする研究開発についても着手する予定である.
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