2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on high-efficiency polishing technology with the new techniques to control slurry distribution at the polishing area
Project/Area Number |
16K06030
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
池田 洋 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90573098)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 研磨 / サファイヤ / 電界 / スラリー / 砥粒 / 研磨界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,電界制御技術を適用した新しい高効率研磨技術を創出するために,与えた電界条件が研磨界面のスラリーの分布状態,研磨特性に及ぼす影響について評価し,そのメカニズムを明らかにした.スラリー分布の観察実験では,試作したスラリー観察実験装置を使用し研磨界面に電界を印加しながらその分布状態を撮影し記録した.今回は,初めて複数の工作物(3枚)を研磨ヘッドに取り付け評価を実施した.はじめに,コロイダルシリカを分散した水ベーススラリーの分布特性を評価した結果,分布面積が周波数依存性を示し32Hzで最大値を得ることが分かった. 一方,ダイヤモンド砥粒を分散させたオイルベーススラリーにおいては,砥粒濃度を4階調で定量的に評価できる手法を開発し,研磨界面に存在する実際の砥粒数を無次元量「砥粒分布指数」として捉えることに成功した.この手法により,電界条件と研磨界面の砥粒数の関係を明らかにし,1Hzの電界を与えることによって無電界と比較し砥粒分布指数が約10倍に増加することが分かった. また,オイルベーススラリーを使用したサファイア基板の研磨特性を評価した結果,電界周波数1Hzで除去量が最も高い値を示し,観察実験の結果とほぼ同じ傾向となった.一方,3Hzでは除去量が無電界を下回った.このことは,研磨後のヘッド表面の砥粒分布状態を観察し,工作物周辺のエッジ部分でクラスターが形成され,砥粒が研磨界面へ流入できない状態となったためと推測した.したがって,今回の実験における最適な電界周波数は,1Hzであり,これは先述したスラリー分布の評価結果と一致する. 以上のことから,本研究では,スラリーの研磨界面における運動特性,および研磨特性双方から得られた結果より,電界制御技術のメカニズムを推測し,最適な電界条件値を得ることができた.
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Research Products
(5 results)