2017 Fiscal Year Research-status Report
先端硬質薄膜材料に対する耐摩耗・耐衝撃性複合加速評価試験法の開発
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16K06047
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
宮島 敏郎 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60397239)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 硬質薄膜 / MSE / エロージョン / 衝撃 / 摩耗 / 金型 / スラリー / 繰り返し |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果を踏まえ,本年度は,投射粒子に球形アルミナ粒子を用いて試験を実施した.特に,投射圧力(投射流量)の影響、投射粒子径の影響を摩耗痕の観察を進めるとともに、粒子の挙動を高速度ビデオカメラ等で撮影し見える化を実施した. その結果,投射粒子径を変えて試験を実施することで,投射粒子径によって硬質薄膜の様々な特性を評価できる可能性を見出すことができた.これまで,MSE法においては,深さ方向のエロージョン進行の状況から評価を行っていたが,今回使用しているアルミナ粒子では,それ以外に面の状況から評価する手法を考案し,評価できることを明らかにした.また,試験後のエロージョン面を詳細にレーザー顕微鏡観察やSEM観察およびEDS分析を行うことで,エロージョンの進行状況を明らかにすることができた. また,平行して実施した高速度ビデオカメラでの粒子の挙動撮影において,おおよその投射粒子の速度が把握できた.一方で,これらの計測には,様々な工夫や高速度ビデオカメラの専業業者の協力を得て進めてきたが,微細な粒子(1.2マイクロメートル,10マイクロメートル)においては,どの速度域においても高速度ビデオカメラでの撮影では難しいこと,大きな粒子径であっても,速度が速くなると高速度ビデオカメラの撮影でも粒子の判別が難しくなることが明らかになった.このことから,速度計測の専門家である流体の先生にご協力を仰ぎながら,新たな手法で粒子計測を進めて行くとにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,順調に進展している.今年度の結果より,次年度の計画に挙げている,投射粒子の速度計測の新たな手法の構築,先端硬質薄膜の新しい耐摩耗・耐衝撃性複合加速評価試験法の完成に向けた様々な成果が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
1つ目に,投射粒子の速度計測の新たな手法の構築を行う. 2つ目に,先端硬質薄膜の新しい耐摩耗・耐衝撃性複合加速評価試験法の完成に向けた様々な試験を継続して実施する. そのために,新たな装置を作製し,研究のスピードを加速させ,最終のまとめを行う.
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Causes of Carryover |
高速度ビデオカメラでの撮影で,機材をレンタルして撮影する予定であったが,チャレンジングな撮影であったため,うまく撮影できない場合もあり,レンタル代が不要になったためである.なお,不要になった金額分は,本研究をより加速させるためならびにあらたな粒子計測実施に必要となってきた,新たな装置作製に次年度充てる.
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Research Products
(5 results)