2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of evaluation method of the wear and impact resistance for thin hard coated material
Project/Area Number |
16K06047
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
宮島 敏郎 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60397239)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エロージョン / 硬質薄膜 / 欠陥評価 / 耐剥離性評価 / MSE / 金型 / 摩耗 / コーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度,昨年度の研究成果を踏まえ,本年度は,投射粒子に球形アルミナ粒子を用いて試験を実施した.特に,投射圧力(投射流量)の影響,投射粒子径の影響について,エロージョン痕の観察を詳細に進め,メカニズムについて考察した. その結果,投射粒子径を変えること,投射時の加速エアー流量を変えることで,硬質薄膜の様々な特性を評価できる可能性を見出すことができた. 今回用いた硬質薄膜は,プレス金型用の硬質薄膜で,3層有するものを2種類用いた.両者は,1層目と3層目は共通とし,2層目を純金属系の膜と,積層型の膜の2種類として評価した.今年度は,特に投射粒子に直径約50μmの球形アルミナ粒子を用いた評価を進めた.特に評価手法の定量化として,投射量ごとに,損傷面積から評価する手法を考案し,評価できることを明らかにした.また,投射量ごとに詳細に観察し,その損傷の変化を追っていくことで,硬質薄膜の欠陥とみられる箇所を評価できること,膜と膜や膜と基材との界面の強さを評価できることを明らかにした. 具体的には,エアー流量が低い条件(40 L/min)では,投射粒子量の増加に伴い硬質薄膜の欠陥等の弱い箇所で窪みが生じて徐々に大きくなる現象となることを明らかにした.その窪みの大きさは純金属中間層試験片より積層中間層試験片の方が大きいことがわかった.一方,エアー流量が高い条件(60 L/min)では,衝撃負荷が深くまで加わる状態になり,中間層界面で剥離が生じる現象になった.また,結合し大きくなった窪みの大きさは積層中間層試験片より純金属中間層試験片の方が大きいこともわかった. 以上,エアー流量を大きくすることで,投射粒子の衝突速度が速くなり,粒子が衝突した際の深さ方向への衝撃負荷が大きくなる.その現象を利用すれば,表層の弱い部分や,界面等の深さ方向の弱い部分の剥離性の違いを定量的に評価できると考えられる.
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