2016 Fiscal Year Research-status Report
リニアガイドウェイのスティッキングの発生機構の解明とその低減法の提案
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16K06152
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
太田 浩之 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (30233141)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リニアガイドウェイ / スティッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,リニアガイドウェイのスティッキング(リニアガイドウェイを小ストロークで往復駆動すると駆動力が増大し,駆動が困難になる現象)の発生機構を解明し,低減することを目的としている. 本年度は,申請者が開発した実験装置を用いて,玉列数2列のリニアガイドウェイを小ストロークで往復駆動し,その駆動力および運動体(リニアガイドウェイのキャリッジ,実験装置におけるアームおよびおもり)の加速度,負荷圏内の負荷ボールの位置饒辺かを測定した.そして,以下の結果を得た. ①スティッキングは,比較的大きなローリングモーメントを負荷してリニアガイドウェイを一定時間オフセット駆動すると発生する.②スティッキング発生前の駆動力は,運動体(リニアガイドウェイのキャリッジ,実験装置におけるアームおよびおもり)の加速度と質量の積に一致する.③本研究の実験条件範囲では駆動力に及ぼす差動すべりおよび弾性ヒステリシス損失による摩擦力の影響は小さい。④スティッキングの発生原因は,負荷圏内の負荷ボール同士の接触点におけるすべり摩擦である.⑤比較的大きなローリングモーメントを負荷して,リニアガイドウェイをオフセット駆動すると,運転開始時に負荷圏内に等間隔に配置された負荷ボールは,運転時間の経過とともに,キャリッジの浮き上がり側(ローリングモーメントによりキャリッジ中心に対してキャリッジが上方向に変位する側)おいて,負荷圏中央付近以外で接近する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,当初,リニアガイドウェイのスティッキングの特徴,すなわち,スティッキングの発生に及ぼすボールの配置の影響について調べ,スティッキングの発生機構を解明することを予定しており,そのすべてを明らかにできたので,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,スティッキングの低減について検討する.具体的な実施項目は,以下の通りである. ①今年度の研究結果を踏まえれば,低剛性キャリッジを使用することで,スティッキングの低減または防止が可能となると考えられる.そこで,低剛性キャリッジを軸受メーカと協同して,設計・開発する. ②上の①で開発した低剛性キャリッジを使用して,実験を行い,スティッキングの低減効果を確認する.
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