2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K06169
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
山川 淳也 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 教授 (10546138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 秀久 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 教授 (00332635)
江藤 亮輔 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 助教 (20761480)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 交通機械 / 車輪走行 / すべり率 / 牽引力 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
砂質土上を走行する車輪に作用する応力分布とその時間的な変化をより詳細に測定するために複数個の荷重計を購入して,車輪踏面に連続して配置した剛性車輪を設計ならびに製作した。自然状態における砂質土(豊浦砂)において単輪による走行実験を繰り返し行ない,すべり率,輪荷重等の条件を変えて,沈下量,駆動トルク,牽引力,車輪接地面の応力分布などのデータを収集した。車輪と砂の接触状態は透明な側壁を通して撮影し,粒子画像速度測定法(PIV)により砂粒子の速度分布と流動パターンに関するデータを収集した。それらの流動パターンが遷移するときの応力分布の変化を捉えるために複数個の荷重センサで測定しているが,システムの構成とそれぞれのセンサの校正や同期などの調整に時間を要したために収集したデータ数が限られ,パターン遷移の条件等を解明するまでには至らなかった。力の測定ができるのはあくまでも車輪踏面の応力分布に限られるために,砂質土内部の応力分布については実験と同じ車輪走行を有限要素法(FEM)で数値解析する必要がある。汎用の数値解析ソフトウェアには複数の計算モデルがあるが,適切な計算モデルを用いるためのテスト計算により数値解析の準備を行なった。 車輪の走行性に関しては,これまでに明らかになった地面との相対速度であるすべり速度と沈下量,駆動トルク,走行抵抗並びに牽引力の関係を用いて,模型車両の車輪すべりを抑制する制御方法に応用して,実験を通した検討を行った。 また,学会・研究会等において関連する研究の報告,講演会の聴講,他の研究者と意見交換するなど,研究遂行のための情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
すべり率,輪荷重等の条件を変えて車輪の走行実験を繰り返し行ない,沈下量,駆動トルク,牽引力,車輪接地面の応力分布などのデータを収集するための時間を要した。砂質土の流動パターンが遷移するときの応力分布の変化を捉えるために複数個の荷重センサで測定しているが,センサの個数が増えたためにシステムの調整に時間が掛かった。このため,収集したデータ数が限られ,パターン遷移の条件等を明らかにするデータが揃わず,十分な検討をするに至らなかった。有限要素法における数値解析では,これまでに使用していた学校契約のソフトウェアのライセンス更新がなされなかったことから,別のソフトウェアを使用せざるを得ず,これまでの研究室の資産が活用できなかった。このため,新たなソフトウェアで適切な計算モデルを探すためのテスト計算が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き実験装置を用いてのデータ収集ならびに数値解析による検証を継続する。収集した実験データと数値解析の結果から車輪と地面の相互作用により生じる沈下や駆動力の発生メカニズムを明らかにする。特に,十分なデータを収集することで,応力分布の時間的な変化を捉えて流動モードの遷移メカニズムを解明する。データ収集ならびに解析が順調に進んだ場合は,豊浦砂だけでなく珪砂や火山灰等の特性の異なる砂質土についてのデータを収集して解析ならびに比較を行なう。 車輪の走行状態をモニタリングして車輪のすべり抑制のために駆動トルクまたは回転速度を適切に制御する方法を検討し,車輪走行システム(単輪)に制御プログラムを実装して実験を行い,すべりの抑制効果を検証する。 研究成果は学会・研究会等において報告する。また,講演会での聴講,他の研究者を訪問して意見交換するなど,研究遂行のための情報を収集する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れたことから,研究の進展にともなって必要となる予定であった物品の購入を執行せず,未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後必要となる計測装置の買い増しと研究成果発表のために出席する国際会議の旅費に充てる。
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