2016 Fiscal Year Research-status Report
リアルタイム偏波計測用集積型テラヘルツ波検出器の開発
Project/Area Number |
16K06312
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 弘 北里大学, 一般教育部, 教授 (50525384)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | テラヘルツ波 / 検出器 / 平面アンテナ / 偏波計測 / エリプソメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.集積型検出素子に関しては、まず最適なアンテナ構成を明らかにするため、弱共振型スロットアンテナについて電磁界解析を用いた特性検討を行うと共に、実際に弱共振型スロットアンテナを集積したテラヘルツ波発振素子を作製して放射特性の実験的検証を行った結果、弱共振型スロットアンテナが比較的広帯域な特性、良好な直線偏波特性、良好な設計性を併せ持つことを明らかにした。一方、広帯域な特性を実現するためには、これまで実績のある自己補対型ボウタイアンテナが優れていることから、両者の特性を活かす新たな構成を開発することが重要であるとの結論に至った。そこで、自己補対型ボウタイアンテナの広帯域特性を活かすと同時に、グランドを共通化することでアンテナ間干渉の影響を低減することができる、反転型(スロット型)ボウタイアンテナを採用することとし、平面アンテナの最終候補として詳細構造設計を行った。そして、ゼロバイアス動作に適したInP系SBDと、上記で設計した反転型ボウタイアンテナを集積したテラヘルツ波検出素子の試作プロセスを実施した。 2.実装、及び集光技術については、集光効率の向上と複数素子への安定な信号分配を実現するため、従来の準光学型筐体と比べて超半球シリコンレンズの径が約2倍となる「広開口型筐体」を設計し、部材の作製を行った。また、アキシコンレンズ対を用いた円環状集光系についても光学設計を行い、テラヘルツ波に対する透過率が比較的高い、高密度ポリエチレンを用いたアキシコンレンズの作製を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電磁界解析を用いた特性解析及び実験的検討により、「弱共振型スロットアンテナ」が良好な直線偏波特性を有することを明らかにした。この結果に基づき、平面アンテナの最終候補を決定し、アンテナ集積SBDの試作を実施した。さらに、準光学型筐体やアキシコンレンズについても作製を完了させた。以上の結果は、ほぼ当初計画通りに進捗しており、全体としておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い、試作した素子の実装、特性評価、部材の改良を進めることで、目標性能の実現を目指す。またその過程で、個別のアンテナ構成やレンズ構成に関する改良指針などの知見抽出を行う。さらに、計測技術への適用についても準備を進める。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに使用したが、見積価格の変動や値引きなどにより若干の差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、当初計画に従って使用する予定である。
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