2016 Fiscal Year Research-status Report
レーダ画像変位を応用した誘電体材料の複素誘電率計測システムの開発
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16K06325
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 弘一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00588303)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 誘電率計測 / 画像レーダ / 電磁波遅延 / 画像変位 / 多層誘電体平板 / 等価誘電率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では従来の計測法とは異なるレーダ画像の変位に基づく新しい誘電率計測法の確立を目的としており、原理的な理論と実験は既に確認しており、より精度を高く適用範囲を拡大することを狙いとしている。このため、平成28年度では下記の研究を実施した。 1.電波画像を得るためのCWレーダとアンテナ走査系をコアとする評価計測システムの基本設計を行い、同時にこれらを制御しデータを取得するソフトウェアを作成した。 2.計測で得られるデータから画像を生成するコードを改良作成した。これは既に学会等で発表した理論を基に、アンテナビームの影響、多重反射、電力損失等、誘電率算出精度の改善につながる要因を考慮した。 3.以上をシミュレーションで確認するために、コーナーリフレクタによるターゲットの3次元的な散乱界を定式化し、コードを作成した。 4.多層の誘電体平板に対する各層の誘電率は、厚みと誘電率が既知の平板を付加的に張り付けることで算出することを考案した。上項のシミュレーションコードでこの妥当性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の平成28年度計画をほぼ順調に実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.本(平成28)年度に開発した画像生成コードおよび3次元ターゲット散乱界コードによるシミュレーションを継続改善する。誘電体評価の算出理論の妥当性と精度を確認し、必要に応じて改善を図る。 2.開発した評価計測システムを使って実際の計測を行い、画像生成、誘電率算出理論の妥当性を確認する。 3.多層誘電体平板、植生等の空間に分散した物体による計測を行い、文献等の公表算出値と比較検証する。 4.平成29,30年度を中心に、本研究で得た成果を国内国際学会等にて公表する。 5.最終的な評価プログラム、および評価計測システムによる各種計測結果は、研究成果として報告書作成を実施する。
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Causes of Carryover |
実験設備としてアンテナ走査用駆動機構費100万円、被試験用誘電体平板他として50万円を計上していたが、駆動機構に関しては既にある旧式の駆動モータで代用し、誘電体平板等はテフロン、デルリン板の2種類について他大学のものを譲り受けた。 そのため、ハード的な実験機材の使用額は大幅に減額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度備品類の計上額50万円と上記剰余金は、主に駆動機構費の改良費に投入する予定である。
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