2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on antennas for microwave OAM communication
Project/Area Number |
16K06337
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
斉藤 昭 電気通信大学, 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター, 客員教授 (80536920)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 情報通信工学 / アンテナ理論 / MIMO / 軌道角運動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の目標として、第1に アンテナのOAMモードの放射・受信特性の解析を挙げた。昨年度までにOAMモードは単一磁気量子数のモードであることを示し、モード単一性改善には(1)ループアンテナ導体半径・導体幅の制御(2)反射板付加 (3) 干渉波間の打ち消しのためのアンテナ端子方位制御が有効なことを明らかにした。今年度は、OAM波の電磁界解析から、上記の異なるループ半径による多重化以外に偏波多重により2倍の多重度が実現できることを明らかにした。 第2に挙げたOAM単一モードアンテナの開発では、昨年度までの検討を踏まえさらなる性能向上を図った。反射板付き5GHz帯4素子アレイの改善試作を行い、4伝送路多重時の信号波と干渉波の比(SIR)が近距離3cmでは実測値で21.9dB、遠距離1mではパラボロイドを用いたビーム集束で実測値18.3dBの良好な特性を得た。また回折を抑制するため12GHz帯の3素子アレイも試作し、伝送距離3.2mで9.5dBのSIRが得られた。通信周波数を100GHz程度のミリ波に周波数を向上させることで100m程度の伝送距離も期待できる。 第3に挙げた、集中定数素子内蔵OAM アンテナで共振周波数を可変とする開発では、集中定数素子内蔵アンテナにおける、信号波の通過・干渉波の抑制とも集中定数素子のないものより劣ったこと、集中定数素子がなくても共振周波数は比較的制御性が良かったことを踏まえ有用性は小さいと判断した。 第4に挙げた通信性能の評価に関しては、5GHz帯近距離OAM通信性能を、変調信号を試作したアレイで送受する評価を今年度行った。装置の都合で2伝送路多重のみの評価であるが、75M Samples/sで64QAM信号が2伝送路とも明瞭に分離でき、干渉波補償信号処理がなくてもMIMO多重通信が可能なことを実測で確認した。
|
Research Products
(4 results)