2016 Fiscal Year Research-status Report
IoT用電磁波エネルギーハーベスティングのための高効率昇圧整流回路の開発研究
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16K06353
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 真毅 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (10283657)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レクテナ / ワイヤレス給電 / マイクロ波送電 / 整流回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マイクロ波等の電磁波エネルギーを電気(直流)エネルギーに変換する受電整流アンテナ・レクテナの高効率化に関する研究である。これまで申請者はマイクロ波を用いたワイヤレス給電の研究を行っており、様々なレクテナを開発してきた。その知見に基づき、本研究では周辺の弱い電磁波から高効率で電気エネルギーを得るための新しいレクテナ(ダイオード整流器付アンテナ)、特に整流回路の研究開発を行なう。 この目的のために必須なのが弱い電力でも高効率で所望電圧を発生できるレクテナ整流回路である。世界的には弱い電力でも所望の電圧を得ることが出来るCharge Pump整流回路の研究開発が進んでいる。しかし、Charge Pump整流回路は多数のダイオードとキャパシタで構成され、整流と昇圧を同時に行なうために、所望電圧はその回路段数を増やすことで用意に得られるが、損失が段数に比例して大きくなり、高い効率を得ることが出来ない。効率が低いと電力システムとしては不適であるといわざるを得ない。そこで、本研究ではこれまで申請者が研究開発を行なってきたSingle Shunt整流回路とCharge Pump整流回路をマージした新しい整流回路を考案し、その研究を行なっている。 今年度は、Charge Pump整流回路の要素回路であるダイオード2つを用いた半波倍電圧整流回路に着目し、その動作解析と損失に関する理論解析、シミュレーション、及び試作評価を行なった。その結果、1) Single Shunt整流回路とCharge Pump整流回路の変換効率を理論的解析し、同じ変換効率になることを証明、2) 実験結果とシミュレーション結果の差について分析、3) 多段Charge Pump整流回路では、ダイオードによる損失は一段整流回路と同じとなることを証明、した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初提案通りの進展をしている。当初2年間でIoTサンサー用ハーベスティング回路の研究開発を行い、最終年度にシステムとして組み上げる計画であり、1年目の回路開発研究としては順調に研究が進んでいる。本研究成果は国際論文としてもすでに採録されており、国際的にも認められている。 1)Ce Wang, Naoki Shinohara, and Tomohiko Mitani, “Study on 5.8 Ghz Single-stage Charge Pump Rectifier for Internal Wireless System of Satellite”, IEEE-Trans. MTT, Vol.65 , No.4, in print, 2017 [Reviewed International Conference] 1)Ce Wang, Naoki Shinohara, and Tomohiko Mitani, “Study on 5.8 GHz Single-Stage Charge Pump Rectifier for Internal Wireless System of Satellite”, 11th European Conference on Antenna and Propagation (EuCAP2017).
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Strategy for Future Research Activity |
2年目はsingle shunt整流回路とcharge pump整流回路を組み合わせた高調波処理型多段charge pump整流回路の開発と高効率化である。さらにハーべスティングを目指した周波数の広帯域化にも取り組みたい。
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Research Products
(2 results)