2017 Fiscal Year Research-status Report
非線形サンプル値制御理論による加速度センサーを用いた高度な制御系設計法の開発
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16K06412
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
片山 仁志 静岡大学, 工学部, 准教授 (20268296)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 加速度センサー / オブザーバ / 非線形サンプル値制御 / 状態変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
外部通信機器に依存することなく対象の加速度を計測可能な加速度センサーは安価かつ小型化可能なため、高精度の計測制御を必要としない小型移動体や産業機器等に利用されている。また、加速度センサーの計測値の積分による速度と距離計測への可能性を秘めている。しかし、加速度計測は外部外乱の影響を受けやすいため、実用レベルの速度と距離計測と高度な制御系設計への応用にはほど遠い状況である。 これまで、オイラーモデルに基づく非線形サンプル値系のオブザーバ設計法を利用して、加速度センサーのサンプル点での加速度計測から、実用的な制度での速度と位置推定を行うためのオブザーバ設計の枠組みを考えた。加えて、オイラーモデルの特徴を生かした加速度計測から速度と位置情報を推定する外部外乱にロバストなオブザーバの具体的な設計法の開発を試みた。 現在、観測情報の利用法やダイナミクスの状態変換法の拡張に取り組んでいるが、位置観測と異なる観測情報(加速度)の有効な使用ができず、オイラー近似モデルの具体的なオブザーバ設計には難航している。そこで、高ゲインオブザーバのアイデアの利用に加えて、加速度観測の特徴に基づく状態変換法の開発により、具体的なオブザーバの設計法の開発を目指している。 今回の研究の双対に当たると思われる位置計測から速度情報を推定するオブザーバの設計も同時に進めており、そちらに関しては今回の研究での知見を生かし、従来のオブザーバ設計法の拡張とカオス秘匿通信に有効な伝送信号の復元に利用への提案オブザーバの利用法を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サンプル点観測の加速度情報を利用して速度と位置を推定する具体的なオブザーバ設計法を非線形サンプル値系のオブザーバ設計の枠組みを利用して開発している。サンプル値系のオイラー近似モデルに対し具体的なオブザーバを設計できれば、研究目的を達成可能となることは示せた。その後、オイラー近似モデルに対する具体的なオブザーバ設計のため観測情報の利用法やダイナミクスの状態変換法の拡張に取り組んだが、位置観測による速度推定と異なり観測情報(加速度)の有効な使用方法の開発の困難さのため、オイラー近似モデルに対する具体的なオブザーバ設計法の開発に難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
オイラー近似モデルの構造上の特性、高ゲインオブザーバのアイデアの利用等に加えて、加速度観測の特徴に基づく状態変換法の開発により、オイラー近似モデルに対する具体的なオブザーバの設計法の開発を目指す。以上のアイデアの利用の後も具体的なオブザーバ設計が困難な場合には、考えているモデルのクラスをさらに限定することも視野に入れている。
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Causes of Carryover |
理論検証のための加速度センサー等の装置と低価格なコンピュータの購入を1年遅らせたため。
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