2017 Fiscal Year Research-status Report
天然ゼオライト混和コンクリートの環境復元機能の向上に関する研究
Project/Area Number |
16K06436
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
徳重 英信 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (80291269)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 天然ゼオライト / ポーラスコンクリート / 凍結融解 / 有機リン / 吸着 / 酸化チタン / サンゴ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.凍結融解作用環境において,天然ゼオライトを混和したポーラスコンクリートの耐凍害性機能について,骨材として使用した天然ゼオライトの細孔系分布および骨材周囲のセメントペーストの細孔系分布の計測から,凍結時および融解時のコンクリート内部の水分移動に及ぼす駆動力の予測のための基礎的データの蓄積を行なった。 2.天然ゼオライトを混和したポーラスコンクリートの有機リン吸着機能について明らかにした。天然ゼオライト自体は陽イオン吸着機能を有するために,陰イオンであるリン酸イオンの吸着は殆ど認められない。一方で,セメント硬化体は吸着機能を有する。本研究では骨材に天然ゼオライトを用いたポーラスコンクリートの粒子状供試体を用いた吸着試験をおこなた結果,本来セメント硬化体が有する吸着量より,天然ゼオライトを骨材に用いたセメント硬化体粒子の吸着量の方が増加する結果が明らかとなり,セメント硬化体と天然ゼオライト硬化体の付着界面の細孔構造が影響を及ぼしている可能性が示唆された。 3.環境復元機能の1つとして,酸化チタン粉末混和セメントモルタルを珊瑚育成基盤として用いる暴露試験を行なった。和歌山県串本町沿岸,沖縄県那覇市沿岸および石垣市沿岸に供試体を設置し,経過観察を行なっているが,サンゴ幼苗は順調に成長していることが確認され,本研究で研究開発しているモルタル基盤の有効性が認められてきている。
以上の3点について平成29年度に明らかとなった結果,平成30年度にはこれらの現象を裏付ける基礎データの取得の継続とメカニズムの追求を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり実施状況に報告した内容が進んできている。 現象の確認と解明が概ね順調に進んでいるが,それを裏付けるメカニズムの解明に対して,基礎的データの蓄積がまだ不足している部分があり,平成30年度に測定を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.凍結融解作用環境下での天然ゼオライト混和ポーラスコンクリート内の水分移動メカニズムの解明については,平成29年度までに得られたデータを基に分析と解析を実施する予定である。
2.天然ゼオライト混和ポーラスコンクリートの物質吸着機能については,細孔分布の分析と並行して平成30年度は炭酸セシウムを用いた吸着機能試験を行う。
3.サンゴ育成基盤については酸化チタン混和に加えて酸化マグネシウム固化体の検討も開始し,現場暴露における環境復元機能の継続調査を主として実施する。
|