2017 Fiscal Year Research-status Report
碍子粉を活用した路面温度低減型舗装の疲労耐久性の研究
Project/Area Number |
16K06451
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
東山 浩士 近畿大学, 理工学部, 教授 (60319754)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 路面温度低減型舗装 / 碍子粉 / 疲労耐久性 / 水浸定点疲労試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者は,これまで電力関連から廃棄されてきた碍子のリサイクル過程で回収される碍子粉の有効利用と歩車道周辺の熱環境の改善に向けた路面温度低減型舗装の開発を行ってきた.この開発した舗装は,夏季において60℃に達したアスファルト舗装の表面温度と比較して,約15~20℃の温度低減効果を有している.また,公共事業における財源不足や労働力確保などの問題から,アスファルト舗装の長寿命化が望まれている. そこで本研究では,開発した路面温度低減型舗装の疲労耐久性を評価することにより,高耐久性を確認するとともに,寿命評価に供するデータを取得するための疲労試験を実施してきた.平成28年度は,夏季を想定した40℃の温水内に浸水した路面温度低減型舗装と通常のポーラスアスファルト舗装に対する定点疲労試験を行い,わだち掘れ深さを指標としたS-N曲線を作成し,それらの疲労耐久性の相対比較を行った.その結果,路面温度低減型舗装の疲労寿命はポーラスアスファルト舗装の約40倍であった. 平成29年度は,春・秋季を想定した30℃の温水内に浸水して同様の疲労試験を実施し,路面温度低減型舗装とポーラスアスファルト舗装のS-N曲線を得るとともに,疲労耐久性を相対比較した.その結果,両舗装の疲労耐久性は温水の温度に大きく影響を受けることが明らかとなった.ポーラスアスファルト舗装の30℃における疲労寿命は,40℃に対して約10倍であった.一方,路面温度低減型舗装の30℃における疲労寿命は,40℃に対して比較できないほどの向上が見られたことから,春・秋季における路面温度低減型舗装はポー^ラスアスファルト舗装に比べて大幅に疲労寿命を延ばすことが可能であることが明らかとなった.また,これまでの2ヵ年の研究成果により,両舗装のわだち掘れに対する年間を通した疲労耐久性を評価する基礎データを得ることができたといえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究実施計画通りに研究を進捗させることができ,路面温度低減型舗装の疲労耐久性を評価できる結果を得たことから,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度および平成29年度に当初計画通りの研究を進めることができたことから,平成30年度は研究実施計画通りに,道路交差点における自動車のねじり・骨材飛散抵抗性についての疲労耐久性を評価するため,路面温度低減型舗装とポーラスアスファルト舗装のねじり試験を実施する.
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Causes of Carryover |
(理由) 平成28年度の定点疲労試験体に使用した硬質ゴム板の損傷が激しく,平成29年度に作製した試験体すべてに対して硬質ゴム板を新たに購入する必要があったため,物品費の支出が大幅に増額した.これにより平成29年度に予定していた旅費をこれに充当した結果,次年度使用額が少額発生した. (使用計画) 平成29年度および平成30年度の研究成果を論文として研究発表する予定であり,論文投稿費に充当する計画である.
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Research Products
(1 results)